あけましておめでとうございます。
僕は元旦が誕生日ですので、令和5年の元旦で44歳になりました。
また、僕はプロ野球のファンなので野球選手を指標に考えることが多く、元中日の山本昌投手が50歳まで現役で活躍していたので、まずは僕自身も50歳まではバリバリ働きたいと思っています。
ただ、僕の仕事はアスリートのような仕事ではなく精神科医ですので、健康の目安の60歳までは健康でコンディションが良ければ何とか開業医として一線で頑張りたいと一先ず思っています。
僕の父は鍼灸師として79歳の今日まで現役で続けてきて、その背中をみてきたので、僕自身も元気だったら父のように頑張り続けたいとも思っております。
精神科医という仕事に出会えて、向上心を持ち続けてこのクリニックで「一隅を照らせるように」本年も頑張りたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
2022年12月31日土曜日
新年の挨拶
2022年12月28日水曜日
年末の挨拶
開業して6回目の年末を迎えました。
今年の診療を振り返ると、クリニックでの診療として、精神科医(精神療法、心理教育、薬物療法、環境調整)と心理士(カウセリング、心理検査)の協働で、治療的なクリニックを目指している部分は、より向上しているのかな?と思います。
今年は、僕自身、僕の家族や身近な人が、コロナ感染なども経験し、やはり心身の健康の大切さを再認識した年でした。
まずは、自分の心身の健康度、コンディションをしっかりケアして、よい治療ができるように来年度も努力していきたいと思っております。
私自身、来年元旦に44歳になります。
精神科医としては丁度頑張れる年代だと思うので、自分らしく、どんな時でも前を向いて取り組んでいきたいと思います。
どうぞ、来年度もよろしくお願い致します!
2022年12月21日水曜日
人生はごまかしごまかしでいきましょう
僕は近視で、コンタクトレンズや眼鏡がないと日常生活は送れません。
きっと100年前だったら障害者扱いだったかもしれません。
でも今は、視力矯正できて、ちゃんと日常生活が送れているのでありがたいです。
色々病気したり、元々あった機能が下がったり、または生まれつき発達障害や知的障害を有しているなどがあったり・・・。
色々と生活しにくいことがあれば、少しでも生活しやすくなるように援助を受けていくことは大切ですね。
何とかごまかしごまかし・・・。
少しでも快適に生活できるようにしていきたいです。
できれば、そうした足りないことを憂うよりも、今ある機能を大事にしていきていくことが「修行」であり、人生を豊かにしてくれるチャンスかもしれません。
人は必ず死を迎える。
生老病死を受容して生きていく。
そこを念頭において、これからも生きていこうと思います。
2022年12月14日水曜日
愛情ホルモンについて
人に喜びや幸福を与える生物学的な仕組みは、3種類の神経伝達物質が関与しています。
1つ目は、満腹になったり性的な興奮の絶頂で生じるもので、エンドルフィンなどの脳内麻薬が放出されることによって生じる快感で、生理的な充足と関係し我々につかの間の喜びを与えてくれます。
2つ目は、報酬系と呼ばれる仕組みで、ドーパミンという神経伝達物質を介して働いています。
大脳の線条体の側坐核と呼ばれる部位で、ドーパミンの放出が起きると快感を感じます。
サッカーの試合のゴールの瞬間とか、数学の問題が解けたとか、マラソンを完走したときなどにドーパミンが放出されます。
こうした快感が作用することで、次の目標を達成しようとモチベーションが生み出されます。
この報酬系を短絡的に得ようとするのが、酒、たばこ、ドラッグのような嗜癖性物質やギャンブル(競馬、パチンコ)などです。
3つ目は、オキシトシンという愛情ホルモンと呼ばれる神経伝達物質です。
ただ一緒にいるだけで嬉しいし、落ち着くという気持ちになれます。
身近な人間関係においての繋がりを大事にしていくことで生まれるオキシトシンを増やせる関わりが精神科的には重要ですね。
つまりは、恋がドーパミンとかエンドルフィンで、愛がオキシトシンな感じでしょうかね。
僕自身は40歳を超えて、おっさんになってきて「愛」の大切さ、重要性をより意識するようになっているので、オキシトシンの役割や作用を重視しています。
子育てにおいても、オキシトシンを介した養育だと、そもそも子どもの存在自体を認めるというスタンスなので、子ども自身も親といると安心が広がりやすく、そこを土台にして主体的に頑張っていけます。
一方、ドーパミンを介した養育だと「べきべき養育」となり、頑張っていないあなたは認めないというスタンスとなり、親子という関係性が安全基地というより緊張関係になってしまいます。
家づくりで例えると、1階部分としての心理的な安全基地が広がらないまま、2階部分の頑張ることを強要するスタンスになるので、地盤とか1階部分である安心を広げる親子の基本的信頼感を高める、そうしたオキシトシンを親子や身近な家族関係などでは大事にしておくことが重要になりますね。
そこを土台にしておけば、後は勝手に頑張るというドーパミンは、主体性の向上により出力していきやすくなります。
ドーパミンは2階で、オキシトシンは1階という理解です。
親の役割の7~8割は、この基礎となる1階部分のオキシトシン的な役割として「そのままのあなたでいいんだよ」という安心を広げてあげる役割が大事なんだと思います。
その結果、子どもは安心が広がって生活できて、心は暇を感じ、自分が何をしたいかに気づきやすくなって主体性は向上し成長していって社会で頑張っていくんだと思います。その応援を、子どもの身近な親や周囲の大人がしてあげることができたらいいですね。そのお手伝いを僕もできたらと思っているところです。
2022年12月7日水曜日
怒りの感情は第2の感情!
昔は、スクールフォーズとか、金八先生とか、生徒と指導者が真剣に且つ情熱的にぶつかりあって、相互の絆を深めていくようなドラマがありました。
また、プロ野球では、星野監督が選手に対して鉄拳制裁とかを通じて、選手が強くなっていくという対人関係がありました。
現在の時代では、そうしたことが体罰となり、そうした指導者が罰せられる時代になっています。
そのため、我々が対人関係で気をつけなければいけないのは『怒りの感情』です。
『怒りの感情』は、第2の感情と言われたりします。
つまり『偽りの感情』というか『怒りの感情』の前に、別の感情が発生しているのです。
そこを認知して素直に表出していくと、対人関係で悪循環が生じにくくなります。
子育てでいえば『挨拶』とか『ありがとう』が言えない我が子をみて不安になって、親が感情的に怒ってしまったり、とかあると思います。
その際に、「今は子どもだからうまく挨拶できないのは仕方ないけど、大人になって、あなたが嫌われたりしないか不安になるから、なるべく『挨拶』とか『ありがとう』とか言えるようになろうね」とか、怒りの感情を外して相手に納得できるように説明することが重要です。
『怒りの感情』を他者にぶつけると、トラウマを生じさせるだけになってしまうという時代です。
都市化し科学技術が進歩していくと、どうしても母子の愛着は薄くなりやすく、回避的な対人関係が増加していきます。
その結果、イライラなどの否定的な感情を他者にぶつけると、双方の関係が悪循環に至りやすいのです。
『怒りの感情』の裏にある本当の素直な感情に気づいて、そこと素直に向き合うと、身近な対人関係は好転しやすいと思います。
2022年11月30日水曜日
安全基地 → 社会性の順番が大事
養育において『安全基地 → 社会性』という順番を守っていたら、子どもは自尊心が守られて主体的に人生を送れるようになります。
母などの主たる養育者が『安全基地』として機能することにより、子どもが安心を抱き拡張していきます。
それが充足されて『社会性』を身に着けていきます。
そこで教育が大事になっていきます。
子どもに安心感を広げないで危機感を抱かせたり、苦手克服から入っていってもなかなか思うように成長しません。
返って子どもの反発を招いたりトラウマを生じさせたり自尊心を低下させてしまう恐れがあるということを共有しておきたいのです。
つまり、この順番がとても大事だということです。
また、親が子どもの『安全基地』になる4要素があります。
1つ目は、傾聴です。
お子さんが親御さんに話して来た際には、まず受容的、支持的に聞いてあげることが大事になります。
2つ目は、親がお子さんにアドバイスをする際には控えめにするということです。
関西弁で使われる言葉に「知らんけど~」という便利な言葉があります。
この言葉の裏には「決めるのは、あなたでいいのよ~」とか、「あくまで親としての一つの意見としてであって参考程度でいいのよ~」というメタファーが込められていると思います。
そうした感じで、親が子どもの主体性を尊重することが大事になります。
3つ目は、お子さんの『ややまし』なところに注目するということです。
どうしても一緒に生活していて、親は子どもの悪い所を少しでも良くしてあげたいと思うものです。
でもまずは、子どもに自信をつけさせること、自尊心をしっかり育むことを大事にしておきたい。
少しでも良い所を親が注目していると、子どもはそのままの自分でいいんだと安心して、その安心感を拠り所に成長しやすくなる。
そうしたら子どもは主体性が伸びて、成長してスキルアップしやすくなる。
ちなみに、僕は親に勉強しなさいと言われた記憶がないし、好きなように習い事をして、好きなようにやめました。
今でも勉強を継続的にしてますけど、やれと言われなかったので自分がしたいと思うことをやれてて、ありがたいです。
4つ目は、3つ目と連動しますけど、お子さんのダメなところは『スル~』です。
一緒に暮らしていると片付けができないとか、明日の準備ができてないとか「やりっぱなし~」が結構あるかと思います。
そこを治そうと最初から高い目標を設定してしまうと、親子の関係で緊張がベースになってしまいます。
そのダメなところの『ややまし』をみつけて、そこを褒めるという3つ目の介入を効果的にするために、ダメなところを『スル~』という感じです。
この4つを目指して、親がまず子どもの安全基地となっていければ、子どもは外で学んで成長していける可能性が高まります。
親の役割は成長させることより、安心を広げて心の拠り所になってあげて欲しいと思います。
2022年11月23日水曜日
正義の味方は、やっぱりアンパンマン!
アンパンマンって、すごく画期的なヒーローだと思うんです。
まず、そこまで強くないし、というか、時にむっちゃ弱い。
そのため、仲間や支援者がいて成立するヒーローですよね。
そして、何よりも自分の価値観や考えを相手にも強要するということで生まれる善悪の対立構造でのヒーローではない。
利他の精神、自分の一部を相手にあげる。
自分が、相手を力で変えるのではなく、相手が今、必要なものを相手の立場になって考えて、相手の為に、自分ができることを考えて行動する。
バイキンマンに対しても突っ込みつつも、結局は共生してますしね。
バイキンマンの存在を否定しているのではなく、ダメな行為を否定しているだけというスタンスがすごいっす!
僕もいつか、アンパンマンみたい人になりたい。
でも、なれない~。
でも、自分の心の中にいる「リトルアンパンマン」を意識して生きていくことはできる。
だから困った時は、自分の中の「リトルアンパンマン」と対話しながら人生を送っていこうと思うのであります!
2022年11月16日水曜日
「早寝早起き朝ごはん」は間違っていると言いたい!
僕は外来で、よくことわざや標語などを引用した心理教育をすることがあります。
しかし、「早寝早起き朝ご飯」という国民運動は、間違っていると言いたい!
その理由は、まず朝起きて脳が目覚めます。
そして、朝食を食べることにより、腹時計と脳の時計が同期します。
その後、16時間後に眠くなる体内時計がセットされるため早寝になる、という流れです。
そのため、早起き → 朝ご飯 → 早寝 の順番になります。
つまり、この国民運動推進の影響なのか?『早く寝ようとして、なかなか寝れません』『起きる時間がバラバラ』だったり、『朝ごはんは食べません』などを認めると、睡眠はフリーラン化して乱れて寝れないになります。
『「早起き朝ご飯早寝!」に変更して欲しい~』と願う、今日この頃の僕でした。
2022年11月9日水曜日
アロマザリングの重要性
近年、虐待などがニュースで扱われないことがないですよね。
その度に、親の責任論が取り沙汰されている気がします。
母親の子育てに対する不安やストレスが膨らむ中、近年の核家族化や近隣との付き合いの希薄化により、煩わしいと思うような人間関係を無くす事との引き換えに、寂しさや孤立感を手に入れ母親たちは自分の子育てを振り返る機会を失い1人で苦悩することが増えている気がします。
しかし、人は生まれてから自立していくまでに、とても時間がかかる動物です。
そのため古来より、母親以外の人が子どもの世話を引き受けることを意味する「アロマザリング」によって、母親の負担を軽減し子どもの成長を育んできました。
昔から我々人類にとって「アロマザリング」はなくてはならないものでした。
同時に「アロマザリング」は、子どもの社会性の発達や、世話をする側が若い場合は子育ての学習という意味でも、極めて重要なものとなります。
つまり「アロマザリング」を介した母と子とその周囲の互恵的な関係をベースに、人は家族や社会を営んできたといえます。
それが、欧米文化や子育ての精神が輸入されたことを契機に、アロマザリングを活用した子育てが成立しにくくなり、母親のみに子育ての負担を負わせるケースが増えるようになります。
このような状況にあって、当の母親たちも「母親の役割」に対する意識を強めていくわけですが、イギリスのジョン・ボウルビィが発表した「アタッチメント理論」も、それに影響を与えていたと思います。
「アタッチメント理論」の基本的な考え方は、子どもには母性的人物への「くっつき(attachment)」を求める性質があり、それによって子どもは守られるというものですが、その理解にはいくつか注意が必要です。
まず、子どもが求める相手は必ずしも母親ではないこと。
また、親と子ども双方の互いに対するネガティブな情動を見落としがちであるということ。
そして、この理論がイギリスの個人主義的な育児風土で生まれたということです。
ところがこの後、当時の社会状況や日本の伝統的な母性観の上に、母親が愛情を尽くすことで子どもが健全に育つという認識が過剰に日本に広がってしまったのです。
「ニート」や「引きこもり」といった問題を抱える子どもあるいは若者の存在も「アロマザリング」と、それによる母子が適切に離れる時間が減ってしまったことと無関係ではないでしょう。
母親たち自身が今までの「母親の役割」にとらわれたままでは何も変わりません。
人は、赤ん坊の時から周囲の人々と関わる能力を備えています。
一方で、「アロマザリング」を可能にする子育てのネットワークを地域で再構築していくことも必要です。
あくまで母親はそのネットワークの一環であり、子どもは周りの人々との関係の中で健全に育つのです。
特に、発達障害を抱えた育児は、母親が抱えすぎてはいけません。
多くの使えるネットワーク(療育、放課後児童デイ、ショートステイ、学校などの教育関係者、福祉、医療機関、児童相談所などなど)を利用して欲しい。
幼少で発達障害と診断した際には、親御さんには「あなたの子ども」という認識から、「社会の子ども」だと思ってくださいと説明したりもします。
大人が育児や悩みを抱えている様を、子どもが学習すると、子どもも誰かに「助けて」と援助希求できない子供になってしまうこともあります。
その延長上に、ひきこもりやニートなど、自分で悩みを抱える症候群の連鎖が生じてしまいます。
どうか、大人も、しんどい時には1人で抱え込まないで「助けて~」と、フラッグを立ててください。
それぞれができる支援は確かに少ないですけど、支援も「3人寄れば文殊の知恵」的に、集まれば何とかなる気がしてきます。
当院も、その一部になれるようにと思って日々頑張っています!
2022年11月2日水曜日
愛着スタイルについて
アメリカの女性心理学者メアリー・エインズワースの分類によると、幼児期の子どもの愛着パターンは「安定型」「回避型」「抵抗/両価型」「混乱型」の4つに分類されています。
全体の6割程度は「安定型」の愛着パターンを呈します。
「安定型」は、1歳の乳児期の頃に母親から離されると泣いたり不安を示しますが、母親が現れると素直に再会を喜び、母親に抱かれようとします。
母親が安全基地としてうまく機能しており、ストレスを感じた際に適度な愛着行動を起こすパターンです。
「回避型」は、全体の1.5~2割程度で、幼児の頃に母親から引き離されてもほとんど無反応で、また、母親と再会しても応答が乏しいパターンです。
母親とのつながりが薄いケースに多いです。
全体の1割は「抵抗/両価型」は、母親から離されると激しく泣いて不安を示しますが、母親との再会で、母が抱き着こうとすると、それを嫌がします。
でも、一旦くっつくと離れようとしません。
これは、赤ちゃんの心の中の母親の安全基地が不安定で、親が構ってくれるときと、無関心なときの差が大きい場合や、神経質で厳しく過干渉な親の場合が多いです。
このパターンの子は、将来の不安障害のリスクが高く、また、いじめ被害にあいやすいとされています。
残りの1割程度は「混乱型」で、「回避型」と「抵抗型」が混じった「無秩序パターン」。
全く無反応と思ったら、激しく泣いたり怒りを表したりします。
親からの攻撃に恐れる反応を呈したり、逆に親を突然叩いたりすることもあります。
虐待を受けているような精神状態が、ひどく不安定な親の子どもにみられやく、親という安全基地が、逆に危険な場所となることで混乱パターンとなります。
親の行動が予測不可能なために、子どもの行動も無秩序なものになっています。
僕自身は、とても優しい母親と、ユーモアたっぷりで働き者の父親に養育されて、経済的には、中流家庭で、よい家庭環境で養育されたと思います。
そのため、愛着パターンは「安定型」に分類されると思います。
みなさんは、どのパターンに入るでしょうか?
2022年10月26日水曜日
自閉スペクトラム症と愛着スペクトラム症
この10年程度診療する中で、複雑化、長期化、慢性化する精神疾患の背景に、自閉スペクトラム症(ASD)が背景にあることを意識し、そこの知識や支援を念頭に置くことで、適切な支援がみつかることが多いと感じ学んできました。
その上で、難治的、通常の治療の枠組みでは、なかなか改善しにくい傾向のある患者さんの多くに、愛着スペクトラム症が併存していることが多いことが分かってきました。
ここでいう、愛着スペクトラム症とは、はっきりとした虐待を受けてきたなどというよりも、子ども時代に、主に母親との関係性を通しての、心の安全基地が育まれなかった状態で現在に至っていることをいいます。
精神医療では、愛着や愛着障害が種々の精神疾患の成因や回復において、どれほど大きな役割を果たしているかということに十分な認識や対処の術をもっていないのが現状だと思います。
僕は、児童精神科、精神科を標榜し、毎日2歳から80歳までの老若男女の診察をしているうえで、不安定な愛着スタイルの影響が、その後の人生に大きく影響しているということを感じています。
ベースに、愛着スペクトラム症の影響の有無を念頭に、当院でできることを考えていきたいと思っています。
2022年10月19日水曜日
見守ることが大切!
当院では、たくさんの観葉植物を育てています。
当院が『ちょっとでもオアシス的になればいいなぁ~』と願いを込めて、ジャングル化を目指しています。
でも、定期的に枯らしてしまいます。
水やりでも、水が無くなって土が乾燥してくると、それで根が伸びて植物は強く、たくましく生きていくから葉っぱが丸くなったりしてから、水をあげるなど、ちょっとスパルタ的にして育ててくださいと、地元の観葉植物やさんに指導を受けたりします。
でも、乾燥して枯れてしまうのが怖くて、どうしても水を早め早めにあげちゃいます。
見守って、しんどくなってから手を差し伸べる。
その見守ることが大切なのは、わかっているけど、なかなかできない。
『子育てと、植物を育てるのも似ているなぁ~』と思います。
でも、こうして定期的に観葉植物屋さんに指導されて、見直して、また失敗しちゃうを繰り返して、最近は枯れることは減ってきています。
「見守る」ことを大事にしつつも、でも、やっぱり早めに水をあげちゃうけど、愛情を持って、育てていきたいと思っている今日この頃です。
2022年10月12日水曜日
70歳台で人生が決まる!
当院は、2歳頃から80歳台の老若男女の方が受診に来られます。
児童精神科、精神科を自分が担っていることによって否応なく『人生とは』と自問自答をし続けるような感覚となったりします。
その際に、70歳頃に人としての生き方が決まっていくように思います。
70歳になると、もうどんなに頑張っても、若くないし、もう死を意識していく段階に入ります。
誰もが必ず迎える「死」というゴールに向けての目標は、僕は「納得」だと思います。
自分らしく頑張ったとか、自分らしく、つらいこともあったけど楽しめたとか。
この自己満足「納得」を得るためには、なるべくペルソナ(社会的仮面)が少ない方がいいし、できるだけ他者から『どう思われるか?』ではなく、自分からみて『納得いくか』の方がいい。
70歳台になったら、どんな人でも色々足りないものが出てくると思います。
そこをフォーカスして『ないない~』と嘆くのか、『まだ、こういうことも出来る』と出来るところをフォーカスして生活できるのか?
それは、それまでの生き方の集大成になってくるのだろうと思います。
必ず『死』というゴールが来るから、心配しなくても『人生はあっという間』各々に残された人生を大切に、能動的に、主体的に生きていく。
そのサポートができるようなお手伝いができればと思っています。
2022年10月5日水曜日
綾小路きみまろさんの "SDGs"
最近よく耳にする「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連加盟国が2030年までの達成を目指す17の目標を掲げたグローバル・プロジェクトで、貧困をなくそうとか、環境に優しいクリーンエネルギーを普及させようとか、いずれも無理のない範囲で改善していきましょう、という内容です。
その「SDGs」ついて、唯一無二の漫談家 綾小路きみまろさんが熟年夫婦のネタにしていた内容がすごく印象に残ったので、そのまま記載します。
夫婦関係にも「SDGs」のような、暗黙の改善目標みたいなものがある。
夫婦の「SDGs」です。
夫婦の「SDGs」とは、相互の欠点として気になるところは目をつむって、お互いが心地よく過ごせるように努力するのです。
お互いに向き合うと、嫌なところは目をそらそうにも視界に入ってきますから、なるべく向き合わないで、隣に並んで同じ景色を眺めるのです。
お互いに嫌なところがあっても、感謝の気持ちがあれば、根っこの部分で夫婦はちゃんと繋がっているもの。
お互い「ありがとう」の気持ちを忘れず S(少しの)D(ダメは)G(我慢する)を目標に共生していく。
そんな気持ちでいると、夫婦関係は波風が立たず平穏無事にやっていけると思いますが、みなさまいかがでしょうか?
2022年9月28日水曜日
子育ての正解
たまに先輩の精神科医とお会いして僕自身の子育てなどを指導してもらっており、その際のミニレクチャーをこの場でまとめておきます。
『子育ての正解は、その子が大人になって人生を終える瞬間に「あ~、生きてきて良かったな~」と満足して死ねることだ。つまり、基本、親は先に死んでいるから、親自身はその子の子育ての正解はわからないまま人生を終えることになる。だからこそ親が、その子がその子らしく生きていける一番の味方になってあげるスタンスが大事だよ』
と指導されました。
その先輩医師自身は親に怒られて、今でいう教育虐待を受けて医師になったそうです。
確かに、先輩は医師となり社会的には成功しているように見えるかもしれませんが、実際の先輩自身の気持ちとしては医師になりたくてなったのではないし、親に対して感謝というよりも恨みや憎しみの感情を抱いてしまうんだそうです。
そういう意味では、先輩自身の親の子育ては失敗だったと子ども側の立場の先輩からみたら思っているし、親には、もっと子どもを尊重した子育てをして欲しかったという思いがあると、僕に語られていました。
また、
『子育ての天才がまれにいる。それは、親自身が精神的に穏やかであること。また、子ども自身も精神的に穏やかであること。』
この二つが揃うことが、子育ての天才になるそうです。
しかし実際は、僕も含めてそうではありません。
だからこそ、
『謙虚になって子どもにはなるべく怒らないように精神的に穏やかになれるように親として努めなさい。また、1回親が子どもを叩いたら、その子が大人になったら100回叩かれ返されるようなもんだと思っておきなさい。トラウマを子どもに起こさせないためには、親が感情的になって怒ったりしないこと』
と指導されました。
毎回「はい、わかりました!」と、こっちが返答して終わります。
僕自身も子育て世代ですので肝に銘じます!
いつも、ご指導ご鞭撻ありがとうございます。
先輩!
2022年9月21日水曜日
知識があるから意識になる
発達障害の児童の診療をしているなかで、そのお母さんも当院に来てくれます。
多くは、お子さんの同伴ですが、なかには、お母さんがおひとりで通院されることもあります。
そのお母さんに、お子さんの発達障害の心理教育をして、知識が増えていくことで、お母さんは、適切な関わりを身に着けていかれることが多い一方で、お父さんは、そうした知識を得ていない状況で子育てにおいて好ましくない関わりが続いてしまい、ご夫婦が、子育てなどを巡って対立してしまうことがあります。
どうしても、知識がないと意識化されないので独りよがりな関わりになってしまい、知識の差は意識の差となってしまいやすいのです。
僕自身も、たくさん知識を増やして、少しでも意識的に気づける量を増やしていきたいと懸命に努力中です。
そこから得た知識を、少しでも患者さんにわかりやすく伝えて意識の共有を図っていきたいと思っています。
そのためにも、まずは僕が知識を増やし、患者さんやご家族の方と知識を共有していくことが大事だと思って日々勉強中です。
そこから、お母さん、お父さん、本人自身、そのご家族、学校、社会と知識が広がって、意識が広がって、よい社会になって欲しいなと願って診療しています。
2022年9月14日水曜日
僕の精神療法はチック的
ぼくを含めて多くの男性の方で発語の調子が、どっかでチック的な方がいると思うんですけど、僕自身、何か短い言葉で言いたい欲求結構あります。
なので、僕の精神療法はチック的、キャッチフレーズ的です。
そのキャッチ―な言葉を患者さんの心に遺すことで、患者さんの中に、何か楽になれるというか、よい変化を生みやすくなるというか、そういうことを狙って、今日も、僕の頭の中は、あまり賢くない頭をフル回転させて「短い言葉」を患者さんの心に遺せるように、患者さんと向き合っているところです。
2022年9月7日水曜日
ASD特性の共有と理解の重要性について
自閉スペクトラム症(以後ASDと略す)の脳の発達は、生後1歳から2歳の間は定型発達児よりも脳体積サイズは over growth(過形成)よりで特に大脳、小脳の白質、大脳の灰白質(特に前頭葉)が過形成ぎみであることが多いとされています。
また、神経病理的には神経細胞のニューロンやグリア細胞の過剰な発達、プログラム化された細胞死(アポトーシス)、シナプスの形成や機能異常が考えられています。
その後、成人に向けてASDも定型発達も形態的には、ほぼ一緒になっていきます。
局所的には、体積減少の報告が多いと言われていますが、実際上は評価は困難なことが多いようです。
こうした脳の発達異常から実際上で生じてくるのは、ASD傾向のある子どもの方が脳のオーバーロード(混乱)が生じやすいということになります。
つまり、対人のコミュニケーション場面において、開かれた質問をされたり、いつもと違う変化が生じたり、複雑なコミュニケーションなどが生じた際に、混乱を呈しやすくなります。
反対に、自分の興味や動機からの発信に対しては過集中となります。
これは、わがままというより特性であり、強みであり、弱点でもあります。
そして、「できることを増やしていきたい」と思うのが、子を持つ親の本能です。
しかし、親やその周囲の人らがASDの特性と戦ったらダメです。
涙とか、最悪、心の血が双方に出ます。
その子に合わせた効果的な関わりかたを一緒に考えていく上で、この「脳のオーバーロード」を念頭においておくことが重要になります。
養育の仕方においても、色々と周囲ができることをみんなのようにできないことで、自責的になる必要がないというケアが大事になってきます。
ASDの特性を含めて「どう対処するのか?」の前に「何が起こっているのか?」をまずは理解していくことが支援において重要だということだと思います。
2022年8月31日水曜日
開院して5年が経過しました
ホームページの「ごあいさつ」に記載しているように、
--------------------
・幼児期から児童期、青年期、成人期、老年期までの人生の全ての期間において精神科領域全般の『心の相談』ができます。
・診察を通して『こころ』と『からだ』の悩みに寄り添い、回復のお手伝いをさせていただける診療を心がけます。
・患者さん、家族、地域の皆さんが安心して『こころ』の相談を受けられるアットホームな総合心療を目指しています。
--------------------
の理念のもとに、開院しました。
現在は当院で、子どもから成人までの心理検査をすることが可能になったり、院長の診療の、特に精神療法を補完するためのカウンセリング機能も強化して、本人とその家族をサポートする機能も実践的に向上できていることを実感しています。
また、当院の上階に児童精神科の訪問看護ステーションを誘致し、阪南病院の児童精神科領域で経験を積んだ看護師らと連携してサポートできる体制を構築しています。
今後の目標は、支援機関である行政、教育、療育機関などに対して、たまにでいいのでクリニックでセミナーを開くことも、いつかは再開したいなと思っています。
児童精神科・精神科の領域は、芸人に近い仕事だと思うので、必ずしも長年の経験が活きるわけではなく、常に新人のように柔軟で謙虚に、新鮮に取り組んでいくことが求められている領域だと思います。
だからこそ、僕が健康で働ける間は、少しでも来院された患者さんやそのご家族に「受診に来てよかったな」と思ってもらえる診療を心がけて、これからも取り組んでいきたいと思います。
今後とも何卒ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。
2022年8月24日水曜日
3浪から救ってくれた友人!
東京五輪から1年が過ぎましたね~。
このブログ上で何度も話していますが、僕は医学部に合格するまでに3年間浪人生活を送っています。
3浪目を迎えた春の予備校の授業は、精神的にとても参っていました。
その時に、横に同じく3浪目の予備校生がいました。
その人が3浪仲間となり、僕は1年間何とか乗り切り、受験勉強を頑張り続けることができて、お互いに悲願の国立大学医学部に進学できました。
何とか諦めずに頑張っていたら、運命的な出会いがあるもんだな~と思います。
僕の3浪目の予備校の教室の隣の席に、その人がいなければ、きっと違った人生だったような気がします。
東京五輪で選手らが、口々に御世話になった人達に感謝を述べていましたが、その時に僕の人生にとってのメダルであり、医師になる道への最初の一歩が医学部合格だったので、御世話になった3浪目の友人のことを思い出しました。
2022年8月17日水曜日
社会が本当の多様性の目指すところは
最近ではフェミニズム運動や性別など様々な領域で、多様性を認める社会作りを、という動きが活発化しています。
社会において、そうした多様性を認めていこうとする動きは、いいことだとは思います。
しかし、その多様性を認めるといった背景に、自己中心性が強かったり、他者の価値観を認めないという、目指すべき方向の反対の思想が混入していることが気がかりに思います。
多様性を認めるということの本質は、各々の生き方の多様性を認めるという「あなたも、私も、そうした生き方でOK!」という、相互に認め合い尊重していく社会作りが大事だと思いますが、
社会情勢をみていると、社会的に「こうすべき」が強くなっていて、そこから外れると徹底的に他者を叩くなど、多様な生き方を認めていこうという寛容ではなく、むしろ、多様な生き方を認めない社会作りになっている気がしてなりません。
少なくとも、このクリニックの診察室の中では、生き方の多様性を認め合っていきたいと思います。
まずは、そこからだという思いで頑張っていこうと思います。
2022年8月10日水曜日
ユーモア
日野原先生は、1970年に赤軍派を名乗るグループによって日本航空機が乗っ取られた、通称『よど号ハイジャック事件』に客として乗り合わせ、2日間にわたって機内で人質になった経験をしています。
機内で、緊迫した状況が続いた時に、乗客の子どもが、犯人に対して「ハイジャックって、どういうこと?」と質問しました。
犯人側は、ハイジャックについてうまく返答できず、しどろもどろとなり、乗客と犯人側との間に笑いが生じたそうです。
日野原先生によると、その笑いが犯人と乗客との間に、不思議と一体感みたいなものを生じさせたそうです。
乗客の中には、人質として解放される際に、犯人に向かって「頑張れよ!」とエールを送った人もいたそうです。
ユーモアって、対人関係の構築に非常に重要だなと思います。
特に僕は、ユーモアを大事にしている大阪に住んで、大阪で診療しているのだから、余計そうです。
ユーモアの力を信じて、日々大事にしていきたいとそう感じています。
2022年8月3日水曜日
停学処分になった時の母の対応
僕は高校時代、学業も学年で底辺でありながらも高3の秋に「医者になりたい」と思い立ち、進路相談で担任の先生に相談しました。
先生からは、内申点が悪すぎるので定期テストで良い点を目指せと言われました。
そう言われたすぐの定期テストでカンニングして停学処分になり、全ての教科が0点になってしまいました。
カンニングがばれて職員室に呼ばれ、母が学校に迎えに来てくれましたが、母は一度も僕を怒ることもなく、僕に対して「大丈夫?」と、むしろ心配してくれました。
母と一緒に自宅に帰り、その後、数日間停学処分となりました。
自宅での停学処分の間も、一切、家族は誰も僕を責めることはありませんでした。
その分「申し訳ないな~」「親には悪いことしたな~」と猛省していたことを鮮明に覚えています。
今考えると、この責めないことが、僕の親の特徴だと思います。
そういえば子どもの頃から、母に「勉強しろ~」とか「~しなさい」と言われたり、怒られたりした記憶がほとんどありません。
それが良いのか悪いのかは、僕の周囲の人の判断に委ねます。
ただ、親が甘々で育ててくれたから、僕はいつも自分がしたいことに素直に気づけて頑張れているんだと思います。
好きなように生きることを許してくれて、親には感謝しています。
2022年7月27日水曜日
自分が自分であろうとすることが人生最大の使命
今回のブログは、下記書籍の内容で、すごく印象に残った一説を自分なりの解釈を入れつつ述べたいと思います。
----------
「自分の心」をしっかり守る方法
加藤諦三 著、三笠書房
----------
自分が自分であろうとすることが人生最大の使命。
それこそが、同時に生きている苦しみから解放される方法である。
自分が自分らしく生きていくことにOKを自分で出せれば、人から気に入られたいという、とらわれの感情から解放されていく。
自分を大切にする人にしか、本当の意味で他人を大切にすることはできない。
人は自分を受け入れる程度にしか、他人を受け入れられない。
自分を愛する大きさでしか、結局は他人を愛することはできない。
これが、心理学者シーベリーの指摘する健康的利己主義です。(世間のいう自己中心性ではなく。)
「あなたがよければ私はそれでいいの」というようなことをいう人は、神経症的非利己主義である。
そこには、隠された憎しみがある。
だから、そういった人の身近な親子関係や男女関係はおかしくなっていく。
神経症的非利己主義の最大の問題は、生きるエネルギーを徐々に失っていく。
努力しても消耗するだけ。
根っこは利己主義者なのに無理して非利己主義者のように振る舞うから疲れる。
心の底では憎しみが生まれる。
そこには愛がない、常に相手から見返りを求めている。
しかし、求めたものは返ってこない。
悔しさを常に抱えてしまうことになる。
まわりの気持ちで、自分の人生の苦しみをとりのぞいてもらおうというスタンスになる。
相手が罪悪感を抱いて、自分に対して優しくなってくれるのをただ待っている。
これではむしろ本人の身近な人はあなたから去っていってしまう。
だからこそ、あなたらしさを理解し、あなたらしく生きていくことを応援したい、それが僕の今の気持ちです。
2022年7月20日水曜日
勉強の仕方
イチロ―選手や王貞治選手などは、理論的に技術的に学ぶタイプで、新庄選手や長嶋茂雄選手は、感性派に大きく大別されますよね。
ちなみに、僕自身は感性派だと思います。
受験勉強の時も最終的に叩き込む感じで勉強マシーンになり、条件反射的になって医学部に合格しました。
そのため、ちゃんと理論的、技術的に受験勉強してないので、受験の時に得た知識は既に雲散霧消しています。
現在もたくさん精神科的、心理学的な学習をしていますが、頭の中に叩きこんでやっている感じです。
あなたは、どっちタイプですか?
2022年7月13日水曜日
精神疾患発症の流れ
『発達障害』は生来上の特性で、『愛着障害』は虐待的な養育を受ける事で発達障害に近似した対人関係特性が生じてきます。
ともに共通しているのは『愛着スタイル』といって、近しい人に対しての対人関係に強い影響を与えます。
人間が幸福になる上で最も重要なことは、身近な対人関係が良好であることにつきると思います。
その上で『発達障害』や『愛着障害』を抱えた人たちの多くは、身近な人間関係に悪循環が生じやすくなるのです。
どうしても、寂しいとか不安になると素直に表現できずに怒りで相手を責め立てたりして、結果的に、余計に寂しい状態になるという悪循環に陥りやすくなります。
そのため、対人関係上の悪循環の改善のためのカウンセリングなどを受けたりしていく必要がある人が世の中に多くなってきていると感じています。
それだけ軽度(※ここでいう軽度は、病態が軽度なだけであって、精神病理といった悩みの深さが軽度というわけではありません。)の『発達障害』や『愛着不全』などを根底に抱えて、日々の社会生活が生きにくくなっている人が急増していると感じています。
だからこそ当院の役割はとても大切だと思って診療しています。
2022年7月6日水曜日
高ストレスの対人関係になったら
私見ですが、昨今の仕事内容では、マイペースに自分のやり方にこだわってやれる職人的、直列的な仕事の多くは機械やAIがやるため減りつつある一方で、サービス業などの対人コミュニケーション、並列的、臨機応変さなどが必要な仕事内容が増えています。
また、家庭においても核家族の進展により、親1人にかかる家事や育児の負担感(ここでは、心理的な負担感を特に意識しています)が強まっています。
江戸時代から高度経済成長期までの間は、家族がグループ単位で根強く機能していたため、嫁は家庭内で姑という上司の部下になるため、上司にあたる姑に対して部下である嫁が不満を抱くという構造があり、長い年月を経て嫁が姑の立場になると、また、姑と嫁の関係(上司、部下の関係)になることを繰り返しつつ、家族という単位を機能させてきたと思うんです。
しかし、現在は核家族になり、姑を家族の単位から追い出して、嫁の不満の矛先は夫に向かうという家族構造に変貌しました。
その構造の中で、夫婦で双方のこだわりや価値観がぶつかり、そこから抜け出せなくなった夫婦関係の多くは、アスペルガー症候群の夫とカサンドラ症候群(実は、カサンドラは低濃度域のアスペルガー症候群であることが多い)の妻の戦いになってしまいます。
小さな問題が大きな問題に発展しやすく、どちらが正しいとか間違っているかなど、問題指向の関係になってしまうものです。
まず、そうした高ストレスの対人関係になったら密なコミュニケーションや話し合いを避けて一旦距離をとるということを意識してもらいたい。
(ラインとかメールでやり取りする。一旦家を出て頭を冷やす。一人旅など。)
そうしたら問題から距離がとれて視野が広がったり、今抱えている問題が小さくなることを感じて欲しいのです。
それでもダメなら、もっと距離をとる方法を考えていきましょう。
2022年6月29日水曜日
支援の正しい方向性について
僕は精神科医として、若い頃は患者さんに正しい関わりをすることが有効なサポートになると信じて診療していました。
そのため、精神科医として駆け出しのころは、気がつくと、患者さんやそのご家族に対して、結果的に説教をしていることが多かったのです。
そんな時、指導者に「先生は、よい治療者に向かって努力しているのはわかる。だけど、本当に、よい治療者って、各々の患者さんに、治療者自身が柔軟に合わせることができる治療者こそが、本当によい治療者だと思うよ」と指摘されました。
その時、自分の中の思考が劇的に思考転換し、その日は衝撃で寝れませんでした。
それ以降、説教外来がいかに患者さんにとって侵襲的で無効な関わりだったかということを反省しました。
現在も精神科の診療で大切な支援は、患者さんを少しでも楽にできるかどうか、その有効性のためには自分の価値判断を柔軟に変えられるかどうか?をセルフモニタリングするようにしています。
それが、なかなかできないんですけどね。
患者さんを治療するというよりも、治療者自身の心を治療者自身が向き合うというしんどい作業をすることが、精神科医にとっては大事だな~と日々感じつつ診療しています。
2022年6月22日水曜日
家庭があるから僕は働ける
僕は学生の頃から不真面目でした。
医大生の頃も成績不良で、よく追試のテストを受けて何とか進級してきましたし、医師国家試験もギリ合格で、大学もギリ卒業できた感じでした。
それに、あまりハードに働き続けるのも苦手なタイプだったので、医師としてやっていけるか?正直心配でした。
しかし、結婚し子どもができて愛するものを守る必要を感じ、生活がかかっている、養わないといけないと思うと、不思議と自分の想定していたよりも、よりしっかりと働くことが可能になりました。
妻や子供がいることことで頑張れる。
支えられている。
子どもの成長が生きがいになっている。
子どもが成長して巣立っていったら、妻と乾杯しないといけないですね。
僕たち夫婦は、子どもに恵まれました。
子どものことが大好きです。
あんまり好かれてはいないですけど、両想いになりたいわけではないので自己満足で十分幸せです。
2022年6月15日水曜日
人生は「快」を目指すことが大切!
人生の目標はどこにあるかな?と、ふと考えることがあります。
その答えは「快」ちゃうかな?と思います。
快とは、心地いい、こころよい、気持ちがよい、よろこばしいなどの意味があります。
日々の「快」を追求していくと、やはり身近な人に、そうした「快」の感情を与えることが起点になると思います。
心理的視野狭窄状態で「快」を求めると、自己中心的になりやすく、身近な人と喧嘩や疎遠になったりして、その延長上に戦争があるイメージで「快」の対極にある苦しみを持続的に味わうことになってしまいます。
「快」を安定的に求めるなら、やはり他者に「快」を与える方向を目指すとうまくいくイメージです。
やっぱり、他者に「快」を与える努力が大事なんだと思います。
それで、結果的に自分が「快」になる。
自分の身近な人に「快」を。
僕にとっては、診療中はそれが患者さんだし、休憩中はスタッフだし、家に帰ったら家族だし、友人だったりする。
まず、与えることを大切にしないと~、人生終わる時に「快が正解!」といって、明るくユーモアを大切にして世を去りたい。な~んて考えたりしました。
でも、「快」を与えたんだから、相手に返して頂戴~になると執着になってしまうから、気をつけないといけないですね。
相手から返ってくる場合も、返ってこない場合でも、どっちでもいい。
自分が他者に「快」を与えられることを、喜びに感じて生きていくことが快になると、心は健康でいられるんじゃないかな~と思ったりします。
実際は、すぐに相手から求めてしまうのが人間の哀愁なんですけどね~。
2022年6月8日水曜日
解決しなくていい「つづく」でいい
診察場面で持ち込まれる悩みや問題の多くは、なかなか今すぐに解決できないことが多いです。
でも、次にそれを話す機会がある。
そこまでは棚上げにしておくのも大切だと思います。
すぐに解決できないことだと思った際は、逆に少しずつでいい、診察も「つづく」でいいと思う時もあります。
診察場面では「患者さんが、ちょっと楽になるところはないかな~」と一緒に考えるけど、最悪、見つからなかったら「つづく」にしておく。
これも大事なことなんだと「つくづく」思います。
ブログも人生も、悩み事も「つづく」。
また来週。
2022年6月1日水曜日
精神科治療は、社会的概念を疑うことから始める
社会的には、勉強はできた方がいいし、よく働ける方がいいし、生産性は高い方がいい?
でも、それだったら、過労の一歩手前が、一番生産性は高いけど、本当にそれでいいの?
それは、結局誰のため?誰の人生?社会的な洗脳かも?と、僕自身、自問自答したりしています。
家族は一緒で、仲良い方がいい?
サザエさん、ちびまるこちゃんを日曜に放送しているのは、社会的洗脳?
実際、そんな感じの家の方が少ないし、むしろ理想的な家族を目指して、それでしんどくなっている人の方が多いんじゃないの?と思ったりもします。
母親は子供を平等に大切に扱わないといけない?
実際、可愛い息子、憎たらしい娘~を同じように愛せないと悩んでいる母親もいると思うんです。
そこにOK出すのが支援ちゃうの?と、思うこともあります。
社会で空気を読む、同調圧力とかにやられて、しんどくなっている方も多いと思います。
合わないところを、無理して合わせ続けてしんどくなるより、合わないところをやめて、自分らしく居れる場であったり、時にひきこもることだって大事だと思います。
ひきこもり続けている人の多くが、ひきこもっていることはダメだという社会的な洗脳にやられているのでは?
自分自身の中にある「~すべき」を減らさないと、そして自分が苦痛なくやっていることを大事にしていくと人生は豊かになる気がします。
そこに生産性とか社会貢献とかを先に入れすぎないでおくことも重要です。
しんどい時は、社会的な洗脳では?と疑って、社会をみてみる視点って大事だと思います。
2022年5月25日水曜日
母親からもらった言葉!
僕自身も、3児の子を持つ親です。
時に、子どもとどう関わったらいいのか?と考える時もあります。
その時に、母親に電話しました。
そこで母親から「親というのは、子どもの後ろを黙ってついていくもんやで」と言われました。
僕にとっては『ずし~ん』ときた言葉でした。
実際、僕の母親は僕が子どもの頃から今日まで、ただ黙ってついてきてくれました。
いつも栄養のあるご飯と、必要な時はお金を出してもらって、今も僕は、元気に明るく生きています。
母親が僕にしてくれたように、子どもの後ろで見守って、なるべく黙ってついて行こうと思いました。
日々、全然できてないけど、なるべく意識しておこうと思った今日この頃です。
お母さん、いつも後方で優しく、愛情深く見守ってくれてありがとう!
(初診)受診希望の方
恐れ入りますが、下記予約日がすべてうまりましたので、受付は停止させていただきます。
来週の
----------・5月30日(月)
・5月31日(火)
・6月 1日(水)
----------
で急遽、若干名の初診の依頼を受けることができます。
当院の初診の受診希望のある方は、当院の診療時間内にて初診の受付をしております。
2022年5月18日水曜日
仕事は5~6割の力でやるようにしている。そしたら相手に対しも5~6割しか求めなくなるから
みやぞんが、怒りのコントロールの工夫について発言していた際の言葉です。
みやぞんは仕事をする際、なるべく5~6割の力でやるようにしているとのことで、そうすることで、相手に対しても5~6割しか求めないからイライラしなくなると話されていました。
僕も、ほっとくとどうしても力みが強まりやすいタイプで、頑張ろうとして10割の力を出そうとすると、相手にも見返りも求めすぎてしまって、人間関係がうまくいかなくなることがあります。腹8分目以下の力で頑張るようにしてみるって大切だな~、そしたら、自分の力みがましになるから、相手も楽になるのかもしれませんね~。
みやぞん、いつも心に響く言葉をありがとう。
あなたも困ったような笑顔の裏に、大変な努力や忍耐があることは感じています。
僕も、みやぞんのように5~6割の力で仕事をするようにしたいと思います。
2022年5月11日水曜日
自分の機嫌は自分自身で取るべし。自分自身が幸福を得たくば自分自身の身近な者に与えよ!しからば得られむ
僕は午前の診察と午後の診察の間の昼休憩に10分程度昼寝をするようにしています。
先日の昼寝中に大事な言葉が降りてきて目覚めました。
それは「自分の機嫌は自分自身で取るべし。自分自身が幸福を得たくば自分自身の身近な者に与えよ!しからば得られむ!」
みたいな感じでした。
気になって、すぐに前半の格言を検索すると、みやぞんの言葉でした。
後の格言も、よく耳にしそうな感じの言葉ですよね。
でも、折角降りてきた格言だから、僕自身の当面の座右の銘にしようと思います。
「自分の機嫌は自分自身でとろ~」と、みやぞんを見習って実践してきたいと思います。
その上で、自分が幸せになるために身近な人を大切にしていきたいと思います。
「これは、日常から意識しておくように、そうしないと実践できないことだぞ!」と、誰かが僕に伝えたいとテレパシーを送ってくれたんじゃないか?と思うので、これからも大事にしていきたいと思います。
2022年5月4日水曜日
『こうのどり』というドラマのセリフの力
以前にも既に数回視聴しているのですが『こうのどり』という周産期医療のドラマを再度ツタヤで借りて視聴しました。
毎回、このドラマで号泣します。
そこで今回は個人的に印象に残ったセリフを紹介します。
・うまくケアできないと焦っている出産してまもない新米ママに対して、助産師がかけた言葉
「お母さんが、子どもにうまく対応できないのは仕方ないよ。だって、お母さんだって、初めてのことなんだから、最初からうまくやれなくていい。段々学んでいけばいいよ。子どものためにお母さんがいるんじゃないよ。お母さんがいたから、赤ちゃんがいるんだよ。」(はい、作田号泣です。)
お母さん自身も自分のことを大事にして欲しい。
そのことを助産師が伝えたかったことや、子育てで多くの人に頼っていいんだよと応援してくれた助産師の言葉。
次に、
・新生児の小児科医の先生が、親が子どもの決断を尊重し見守ることの重要性を説かれた時のセリフ。
「親は子どもが生きていく上で、こけて怪我しないように早め早めに手を打ってサポートしたいと思うものです。でも、人生の中で我が子が、こけたり失敗したりしないで生きていくことってできないですよね。親は子どもをまず見守って、子どもがこけたら、一緒に悩んだりサポートして、立ち上がるサポートをしていく。そっちの方が、何倍も親として難しいと思いますが、より大切なことなんじゃないかな?」と親側に投げかけます。(はい、作田号泣です。)
児童精神科医である僕の観点からも、子どもの主体性を尊重する、その判断が間違っているのか、合っているかどうかよりも、子どもが主体的に判断できたことなら、それを尊重し支援していくという親のスタンスを、僕は応援したい。
その結果、子どもは成長促進的に進む可能性があがり、社会的に適応力をつけていくんだと思うからです。
以上、皆さんもコウノドリを視聴してみてはいかがでしょうか?
2022年4月27日水曜日
建築家の匠との定期的な面談
R2年から数か月に1回の頻度で、建築家(広島県在住の匠!)と面談しています。
前回の面談で建築家に言われたことは、「自分と一緒に暮らしてくれる家族って、お金で買えないものですからね。それは、本当に感謝ですよ~」としみじみと共有し合いました。
高級車とか高級住宅とか、美味しいものとか、確かにお金で買えるものは、どんなに素晴らしいものでも一瞬から数か月以内に飽きてくる。
もちろん、そうした物質的な豊かさは必要だし、人はそうしたものを求めるけど、結局そんなものはチープなもので人生をかけるほどの価値はないんだと思います。
夫婦とか子育てとか、家族とか、そういう人間関係、一緒に暮らしていくことの大切さ。
そのことと向き合っていくことの方が、よっぽど面白い。
家族と一緒に住んでもらって、そこから得るものはお金では買えない。
何を食べるか、どんな家に住むか?よりも、誰と食べるか?誰と暮らすか?その人との紡いでいくリアルな関係性を大切にしていく。
こっちの方が人生としては大事だということを建築家にまた教えてもらった気がしています。
次回の面談も楽しみにしています。
2022年4月20日水曜日
子どもとの関わりで親自身が留意すべきこと
診察中の一幕で『子どもを褒めるようにしています』と、親御さんが話されるのでこちらが突っ込んで聞いてみると、親が子どもにやって欲しいことをしたときに褒めるという「親の下心褒め」になっていることがよくあります。
特に自閉スペクトラム症傾向のあるお子さんは、自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強いので、親の命令に対して抵抗や猜疑的になったりしてしまうリスクがあるのです。
そのため、子ども自身にとっての損得などを感情的ではなく理論的に説明してあげて納得すれば行動は変化しうる可能性はあがると思います。
その最初の分岐点が、子どもの利益のためなのか?です。
この最初の分岐点を親サイドはセルフチェックしてから、子どもに説明し関わることが大事な気がしています。
つまり、自閉スペクトラム症の子の親の関わりで重要なことは、説得はダメだけど説明が重要だということですね。
2022年4月13日水曜日
対人関係で一番大事なこと
診療場面で多く扱っていることの多くは、対人関係です。
どれだけたくさんのお金や、地位や名誉よりも、幸福感に一番重要なのは、身近な人間関係が良いことが最も大事なことになってくると思うのです。
その対人関係で大事なことは、イライラ、怒りを生じた状態で対人と関わると悪化するということです。
自分の診療で一番意識しているのは、患者さんのことではありません。
自分の心の中にあるイライラを日々モニタリングしています。
そのイライラが少しでも生じてきて診察すると診察はうまくいきません。
これは、日常の対人関係でも同様です。
夫婦関係、子育て、友人関係、恋愛関係なんでも、そうです。
イライラの対極にあるものがユーモアです。
なるべくユーモアを大事にしていきたいと思っています。
ダッフンダ!
2022年4月6日水曜日
自然体で生きることの大切さ
人は対人交流において、意識、無意識に関わらず、ほぼ条件反射的に場面に応じて「自分」を作り出しています。
場面(学校とか職場とか、場合によっては家庭)によって、対人の緊張の度合いが強まると、作り出す自分像の変化量が大きくなりやすくなります。
そこが進行していくと、HSP状態
(対人に対して過敏な状態)
⇒ さらに進行していくと
⇒ ペルソナ(社会的仮面)状態、過剰適応、社会不安(場面緘黙を含む)といった、いわゆる対人や社会に対しての燃費が悪くなってきます。
そうなる背景には、本人自身が生来、自閉スペクトラム症の特性(診断レベルではなく、特性レベルというカテゴリーでいうと、約3割の人はASD特性があるものとして捉えています)の傾向があったり、幼少からの養育環境で愛着障害的(ここも、虐待とよべるものではなくとも「べきべき養育」(過剰適応した本人を褒めて、自然体の自分ではダメだしされる養育のこと)に、そのままの自分を受容された体験が少ない影響があったりする。
僕は、現在でも自分の自然体とか素の延長線上で、社会的な場面や家庭でも、そこまで無理しないでやれています。
診療していると、患者さん自身の特性の影響だったり、患者さんの養育環境の過程の中で、広義の愛着障害傾向の影響もあってか、長年、自分自身や周囲の人から自分らしさを否定されてこられた方が多いという印象を抱いています。
そうなると、社会では違う自分でやっていくスタイルをとりやすいので本人自身も、周囲の人も、無理が影響しあってしんどくなってきます。
社会上でペルソナ化していると、本当の自分を出さないために、長年社会で交流している人に対しても表面的な人間関係となりやすく、本当の意味で仲良くなったりはできにくいのです。
その根源として、本人自身が自然体で日常を送れてない時間や場面が多いという部分があるのだと思います。
ディズニー映画の「アナと雪の女王」のエルサも、最初は自分は人と違う特性に気づき、親からもそうした特性を否定されて、自らも自己を否定し自分の特性を恐れて隠蔽して生きていましたが、妹のアナの受容的な関わりによって、自己受容が進み「ありのまま」の自分を受け入れることができるようになりました。
少しでもエルサのように自然体で生きていける変化ができるようになるといいなと願って診療しています。
2022年3月30日水曜日
自閉スペクトラム症の特性そのものは変わることはできない
僕は日々の診療で2歳から大人までの発達障害の診断や心理教育、治療をしています。
特に、自閉スペクトラム症の特性である臨機応変な対人関係が苦手であったり、自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的な志向の特性そのものは生涯を通じて変わらない部分なのです。
(そうした特性を隠蔽するなどは可能ですが・・・)
自閉スペクトラム症の特性は、脳の働きの本能的なものなので、そこを治さないといけないと自分自身が思うと自己否定を生じ、うつ病、適応障害、社会恐怖、チックなど2次障がいを招く結果となりやすく、本人自身の周囲の人が、本人の特性を否定し続けたり、受容されない状態が続くと、やはり2次障がいを招く結果となりやすくなります。
まずは、本人と関わる近しい人が本人の特性を受容することが重要です。
ここが最大のハードルであり、逆に、本人の近しい人が受容できるようになると自閉スペクトラム症の2次障がいを回避できる可能性が格段に高まります。
そのために自閉スペクトラム症の診断を早期につけて、自閉スペクトラム症の実践的な心理教育をして本人の身近な周囲の人の徒労感や傷つきにもより添いたいと思っています。
自閉スペクトラム症の特性そのものは、どうしても相互の対人関係で悪循環が生じやすい為、まずは、本人自身や周囲の人に理解してもらっておきたい一丁目一番地は「自閉スペクトラム症の特性は、生涯持ち続ける岩盤のようなもの」ここを共有しておきたいと思います。
自閉スペクトラム症の特性を知って
⇒ 理解して
⇒ ユニークさを受容していき
⇒ オンリー1へ。
このルートに入っていく支援が大事。
社会的な常識(普通は~こう~)を、本人も身近な支援者も、そうした常識的な考え方(普通は~、こう~)を、脳内で、一部破壊していくことが
大事になります。
そのために診断をつけて、本人やその周囲の人が障害受容していくサポートが大事だと日々思いながら診療しています。
2022年3月23日水曜日
問題指向より解決指向!
僕が人生でもっとも「問題指向」になったのは、2浪した後に大学に落ちた時です。
落ち込んで寝込んでいるとき、その時は、本当に死んでしまいたいとまで思い詰めていました。
その寝込んでいた時に、
「こんな家(作田家は、特にこれまで学歴などとは無縁の家ということでしょうか?)から、豊中高校(僕のエリアでは、まあまあの進学校です。)に入って、すごく親としてもうれしかった。これまでも、やすあきが家族をたくさん喜ばせてくれてユーモアがあって楽しませてくれた。・・・」
と母は泣きながら、僕に対して「このままのあなたでいいし、存在そのものがOK!」という感じを伝えたかったんだと思います。
その後、何か僕の心の中がポカポカしていったのを覚えています。
さらに数日経過して落ち込むのも飽きてきて、自転車で1泊2日で1人旅をして、帰ってきてから3浪目の準備をして予備校に通って1年後にやっと大学に合格できました。
これが僕にとって母から受けた人生で一番重要なカウンセリングだったと思います。
問題ばかりに埋め尽くされていた自分に、自分のいいところに焦点を当てて母からそこを褒め続けてもらう。
(心理学的には、コンプリメントシャワーという感じ。)
⇒ その結果、自分自身が今の自分の短所から長所に目が行くようになる。
(問題への焦点化から、解決への焦点化へのシフトチェンジ!)
⇒ 自分の解決像が明確になり、それに向けて日々を淡々と送れるようになりました。
「問題指向よりも解決指向!」この転換点の経験がなければ僕は精神科医となったり、こうした今のような治療者のスタンスにはなっていないと思います。
なので、この2浪時の挫折も財産なんです。
挫折、あざ~す!
もちろん、できたら受験で落ちたくないですけどね。
2022年3月16日水曜日
うまくいかないことを素直に悔しがれることが大事!
熱戦が繰り広げられた北京冬季オリンピックでしたが、各競技後インタビューの選手のコメントで悔しさを素直に表現されている選手たちをみて、素敵だなと思いました。
オリンピック代表の選手になるには、こうして素直に悔しがって、その悔しさと正直に向き合うことが、本当に大事なんだなと感じました。
多くの人は心のどっかで自分の素直な感情を抑制したり、言い訳したり、誤魔化して生きているところは結構あると思うんです。
そっちよりも自分の気持に素直に生きようとする姿勢は、失敗したり、うまくいかない時にこそ出るな~と思いました。
自分の中にある純粋な気持ちを大事にすることが、素敵な人になるためにとても大切なことなんだと改めて感じました。
また、仲間を思いやり、自分の周囲の人を大切に思っていること、そして身近な人同士の繋がりの大切さをオリンピックを通じて感じました。
にわかでちょっと見ただけで、にわかに感動させてもらいました。
2022年3月9日水曜日
あきらめるは、明らかに見る!
子どもの頃に「あきらめないで頑張れば何とかなる!」と、根性で頑張り続けることの大切さを、学校や色々な教育場面で教えてもらった気がします。
しかし、実際に人生を重ねていくと、頑張っても何ともならないことも結構経験しますよね。
それで、次第に諦めて、現実と向き合って、自分なりの人生となっていく。
僕としては、教育場面で「あきらめる」ことの重要性も教えてあげて欲しいなと思います。
「あきらめる」は「明らかに見て」自分の長所や特性をなどを把握し、伸びしろを拡張し、頑張っても、あまり効果がないことは、やめておくという前向きな要素があるということです。
人は各々、勉強ができる人、運動が得意な人、面白い人とか、特技や長所が違っています。
そこを見定めていくことは、その人が、その人らしく生きていくために大事になってくるからこそ、
あきらめも肝心!ですね。
2022年3月2日水曜日
機能的な怒りと非機能的な怒り
かつて日本のプロ野球界において闘将と呼ばれた星野仙一監督のように、集団をまとめたりする際、あえて怒りの感情を全面に出して統率力を上げたり、他者にこちらの真剣な気持ちを伝える意味で怒りとして表現する時があると思います。
このように操作的に怒りを発生させていく際は『機能的な「怒り」』だと言えます。
ただ、実際診察して感じる「怒り」とは「寂しい」「悲しい」などの素直な感情がうまく表出できず、イライラして近しい人(夫婦関係、親子関係などの愛着関係にある人)に不満をぶちまけたりするなど『非機能的な「怒り」』を表出されていることを多く認めています。
このような「怒り」は、相手を狼狽させるだけでなく徐々に相手は膠着し、さらに進行していくと、その場から逃走するか/戦うかという状態(逃走/闘争反応状態)に陥りやすくなります。
本当は自分に優しくして欲しいと思って相手に怒りを表現したのに、返って相手から反発を招いてしまい、余計に「寂しい」「悲しい」感情が強まっていく状態になり、このパターンが続くと、やがて別れるというところにまで双方が追い詰められていってしまうこともあるのです。
人は幸せになることが大事な目標だと思うのです。
その幸せの脳内ホルモンは、オキシトシン(愛情ホルモンとか幸福ホルモンと呼ばれたりもしています)になります。
オキシトシンを脳内で発生させるためには、身近な人を幸せにしていくことが大事になります。
そのための第一歩は、自分自身が大事な人に対して『非機能的な「怒り」』のままにコミュニケーションしていないか?ここをセルフモニタリングしていくことが大事になります。
合わないことを合わせる努力よりも、今、合っている部分をより拡張していく方法の方が、愛着関係は良好になる確率は高まります。
愛着関係は、自分と他者との相互作用から生じます。
どっちが正しいか、間違っているか?とかは関係がないのです。
一隅を照らすことが大切で、自分自身の近くにいる人を大切にしていくことが重要ですね。
2022年2月23日水曜日
昨年のメンタルクリニックの放火事件で感じたこと ②
昨年末の梅田のメンタルクリニックの放火事件で、犯人のことで僕が考えたこととして、犯人は放火事件の前に、過去に自身の家族に対しての殺人未遂事件で刑務所に服役していたとのことでした。
今回の残忍な事件では、被害者や亡くなられたご遺族、社会的な想いとして、犯罪を起こした人間に反省を促したいと思うし、再犯を防止させたいと思いますよね。
ということは、刑務所の役割って、そうした受刑者の更生を支援する場として重要だと思うんです。
でも、今回の事件を起こした犯人は、刑務所で更生できなかったということになりますよね。
これをきっかけに、刑務所で、どんな更生プログラムを組んでいるのかが気になり、「反省させると犯罪者になります」(岡本茂樹著、新潮新書)を読みました。
この本を読んで僕が感じたことは、犯罪者の多くは幼少から抑圧を受けて養育されている。
つまり、「べきべき養育」を受けている。
ちゃんと親の言うことを聞いて実行したら、親からは、よしよしと褒められる。
親の言うことに従わなければ、親からヒステリックに怒られるみたいな「抑圧」をかけられる養育のことを、僕は「べきべき養育」と呼んでいます。
子どもの心は、本来は自由で快活にできている。
でも、そこに親からだったり、学校でいじめられたりなどの迫害体験を受けて、また、そうなっても頼れる人がいなくて、自分の気持ちに「抑圧」をかけることが習慣になっていく。
犯罪とは、その「抑圧」の反動としての爆発の最終形態という形で生じてくるものだと思います。
犯罪を起こした人は、刑務所で服役することになりますが、そこでさらに受刑者に「抑圧」をかけて猛省を促そうとする。
結果的に、彼らは本当の気持ちに服役中も「抑圧」をかけて生きていくため、真の更生になっていかない。
本当に反省を得るためには、逆説的ですけど犯罪を起こした本人自身が「幸福」にならないといけない。
本人が幸せを感じたり、自分の心の抑圧が解除されてこそ、自分の心の中にある罪悪感と本当の意味で向き合えるのです。
他者から外圧的に圧迫して得られる反省は、むしろ本当に獲得して欲しい反省とは全く異なるものとなってしまうのです。
この事件を契機に、ただの表面的、技術的な反省を獲得する方法ではなく、真の反省を獲得する方法、戦略を普及していったり、対人交流において、抑圧を生じさせない対人関係理論がより普及して、親子関係、夫婦関係、社会上の対人関係が良い循環になっていけるようになればいいなと感じています。
2022年2月16日水曜日
昨年のメンタルクリニックの放火事件で感じたこと ①
昨年の年末に、梅田のメンタルクリニックで放火事件が生じ、スタッフや患者さん、犯人も含めて多くの方がお亡くなりになる凄惨な事件がありました。
僕自身は、そのDrと特に面識などはありませんでしたが、紹介状などでのやりとりなどは何度かあり、また同じ大阪精神科診療所協会の協会員であることなどもあり、身近な事件として受け止めました。
僕自身、開業する前は精神科の病院で勤務しており、そこでは精神科医として、強制入院や隔離、拘束などの行動制限などをするため、患者さんから暴言を吐かれたり、正直ハラハラすることは、幾度と経験はしました。
ただし、このような事件になるような経験はありませんし、例えば、患者さんから殴られたなどの経験もありません。
あくまで、暴言程度までです。
開業して5年目になりますが、当院の主な患者さんの多くは再診の方が中心で、また児童精神科を専門にしていることからも、女性とか子どもの患者さんが多く、開業以来、そうした目立ったトラブルなどは幸い生じておりません。
この事件で、どうしても偏見などは持たれる可能性はあると思うのですが、僕は、精神科医になり14年目になりますが、一度も殴られたこともないし、身の危険を感じたことはありません。
勤務医として、強制入院とか、隔離、拘束などの行動の制限をするなど、患者さん自身も追いつめられて、それによって怒鳴られたり、暴言を吐かれたことはある程度です。
これだって、僕も患者さん自身の立場なら、それくらいはしますし、それに、ほとんどの患者さんが、その後、落ち着いた時には、和解できて治療関係を構築できていますので、安心していただければ幸いです。
2022年2月9日水曜日
イライラと向き合うこと
大谷翔平選手が、昨年の大リーグの試合で納得いかない判定を審判にされて、自分自身がイライラしたのを感じて「自分はまだまだだな」と反省したというエピソードがありました。
大谷選手のように自分の心の中にあるイライラを感じて、そのイライラを自分で処理できるようになることが、対人関係をよくする上で最も大切なことだと思います。
例えば、若いカップルがデートの待ち合わせをしていて、彼女が待ち合わせの時間になってもなかなか来ず、彼氏がずいぶん長い時間待ちぼうけをくわされていたとします。
ようやく遅れてきた彼女に対して、彼氏が「遅いやん、何しててん!」と怒鳴ったことがきっかけで、彼女と口論になりました。
もしここで、彼氏が怒鳴らずに大谷選手のように自分の心のイライラを処理して、さらに相手に対して素直に「寂しかった」「最近、僕と会うことを前みたいに楽しみにしてないんじゃないか?と不安になった」と気持ちを伝えることが出来れば、もしかすると、彼女も「寂しい気持ちや不安な気持ちにさせてごめんなさい。」と素直にいえたかもしれません。
イライラを相手にぶつけることが、最も対人関係を悪くさせることもあります。
そのイライラを大谷選手のように処理できるようになると、多くの対人関係は良好になり、その積み重ねが世界平和にも繋がっていくと思います。
2022年2月2日水曜日
支援者自身の心身のコンディションが最も大事!
僕自身、精神科医である前に只の平凡な人間なので、心身のコンディションがあまり良くないときもあります。
そのような心身のコンディションがあまり良くない時の診察では、時に僕と患者さんとの間の関係性も不安定になることもあります。
診察室以外でも同様です。
僕の場合は、僕自身の心身のコンディションが良好な時とそうでない時とでは、いわゆるプライベートな身の回りとの対人関係にも影響します。
自分の心身のコンディションを良好にしておくためにも、勇気を出して休む、ほどほど、ぼちぼちが大事ですね。
時には頑張らないことを頑張ることも大事だと思います。
2022年1月26日水曜日
レジリエンス(主体的に困難に立ち向かう力)=「自己肯定感」+「社会性」+「ソーシャルサポート」
先日、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授と小児脳科学者・成田奈緒子医師が語る「子どもの脳を育てる3要素」というネット記事をみかけて感銘を受けたので、勝手に抜粋して紹介したいと思います。
発達障害のある方の多くは、主体的に困難に立ち向かう力である「レジリエンス」が低くなりやすい傾向にあります。
「レジリエンス」は「自己肯定感」「社会性」「ソーシャルサポート」の3つの要素で成り立っていると言われています。
発達障害の子供は周囲に理解されにくいため「自己肯定感」が低くなることが多く、さらに社会相互作用の障害であるため「社会性」も同様に低くなることが多いです。
また、「ソーシャルサポート」とは「周りの人に助けられているということを実感する力」であり、発達障害の子供が「できない~、助けて~」とSOSを出したときに、それを周囲が理解し支えてあげることにより「私は誰かに支えられていることを実感していますよ」と認識していることが重要となります。
この3つの要素の中でも「自己肯定感」は、なかなか上がりにくく「自分なんてダメだと感じてしまう気持ち」は、なかなか変えられません。
「自己肯定感」は、思春期年代まで(中2~10代まで)しか上げることはできにくい為、20代以降で自己肯定感を上げることは難しいのです。
そのため思春期年代までは、できるだけ自尊心を上げていく関わりが重要となります。
「社会性」も同様に、発達障害の特性でもある為、改善していくことはやはりなかなか難しいです。
しかし、この3つの要素のどれかが上がれば、本人のレジリエンス(主体的に困難に立ち向かう力)は上昇させることができます。
また、自分ができないことをちゃんと理解して、誰かに「助けて」っていえる援助希求能力を育み、それを周囲が理解してサポートしてあげることで「ソーシャルサポート」を上昇させることの重要性を、この対談では述べられていました。
まとめると、大人の発達障害の人には、誰かに支えられているという実感を持てる関りが重要になります。
子どもの発達障害の人には、自尊心を育み、社会性も、できる範囲で療育などで学び、周囲の人に支えられているという実感を持てるような受容的な環境に身をおくことが大切になります。
この3項目の足し算が、発達障害の支援において大事な公式になると思ったので、ここで報告させていただきます。
2022年1月19日水曜日
発達障害の過剰診断について
僕は、児童精神科医、精神科医として毎日2歳から大人までの発達障害の診療をしているため、どうしても発達障害という知識が多い影響もあり、また、そうしたことの診断の意識が高いため、他院よりも発達障害の過剰診断になりやすい傾向があります。
ここについては、賛否両論あると思うのですが、発達障害の特性や症状が原因で、うつ病とか心身症、不安障害などの2次障害となっているのか否か?
或いは、そもそも発達障害がベースに有るのか無いのかによって、これまで歩んできた人生の生きにくさの累積加算が違ってきます。
また、精神症状が回復して、その人がその人らしく生きていくという自己受容というテーマのためには、発達障害のアセスメントは、とても大切になってくると思います。
「病気を診ずして 病人を診よ」という格言がありますが、精神科的には発達障害というベースの有無が、その人、各々の持つ生きにくさの理解の部分で、発達障害の視点は、かなり重要な位置を占めていると思っています。
だからこそ僕は、なるべく発達障害の2次障害としての精神症状なのか、そうではないのか?には、鋭敏でいたいと思っています。
2022年1月12日水曜日
インドの子ども
僕は、大学時代の夏休みに1ヵ月程度バックパッカーでインドに旅行をしていました。
旅先では、インドの子どもと一緒に空き地でクリケット(南アジア諸国では圧倒的人気のスポーツ)に参加させてもらったり、ガンジス川の地元の子どもしか入れないようなところで一緒に水あそびに入れてもらったりしました。
その現地の子どもらが、学校から下校してきてテストでいい点をとったと、目を輝かせて僕に見せてくれたり、インドでの答案用紙は英語とヒンズー語などを選べるとかの説明をしてもらったりしました。
インドの子どもらの笑顔は、とてもエネルギーに満ち溢れていたように感じ、貧しいけど、明るくて、たくましくて、旅行中に、とても元気をもらいました。
その後、日本に帰国して僕が感じたのは、圧倒的に物質的に豊かですが、勉強や様々な社会的な競争圧力がそうさせているのか?日本の子ども達の方が生きづらそうにしているように感じました。
そういや大人である僕も、帰国して日本で生活していると、生きづらいし、生きていることに時々、痛みを感じます。
個人的には、その国の健康度をみるのに、その国の子どもをみると、社会の健康度が分かる気がします。
インドは貧しいけど、活気があり、生きていくという意味ではリアルでした。
日本は、快適だし、ご飯も美味しいし、安全だし、衛生面もしっかりしている。
なのに、生きづらい。
かといって、僕はインドで暮らしたいとは思いません。
実際、大変だし、汚いし、治安も悪いし、カレー以外は美味しくないし。
もう、インドに行くエネルギーもないですし。
でも、インドにいた子どもの明るくて、無邪気な笑顔が忘れられない。
貧しさ、快適じゃないから、家族とか仲間とか、大事になったり、たくましくなるのかな~。
少なくとも『生きるということにリアリティーを追求していくことが大事なんだな~』ということは思いました。
つまり、精神科の治療も『治療にリアリティーを追求していくことが治療的になるんじゃないかな~』とこのブログを書きながら、そう考えがまとまってきました。
2022年1月5日水曜日
プロ野球選手の遺産
僕は、元プロ野球選手のイチロー氏のファンです。
現在はシアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏ですが、メジャーリーグのオフシーズンになると、野球人生第2章として日本に帰国して高校球児に指導している様子などが報じられています。
ただその指導方法も、自らが現在も現役並みのトレーニングを積みつつ、現役選手的にプレイを見せて教えている様がかっこいいと個人的には思います。
だからこそ説得力が誰よりもありますよね。
だって、自分が現在もできることを伝えているんだから。
イチロー氏が、こうやって自分自身を追求しつつ高校球児に伝えて遺そうとしている様に僕の胸は熱くなります。
また、プロ野球界歴代でも稀にみる名将だったといわれているノムさんこと野村克也氏の愛弟子たちが、現在、プロ野球12球団のうち5
球団(阪神、日本ハム、ヤクルト、楽天,西武)で監督として活躍しています。
今年、日本一にかがやいたヤクルトの高津臣吾監督もその一人です。
野村克也氏の遺した言葉で、「金を残すは三流、名を残すは二流、人を残すは一流」があります。
野村克也氏の偉大さと同時に、人に何かを遺せることの素晴らしさを感じています。
僕も今は、目の前の診療に集中して頑張って、少しでも次世代に遺せるような人になりたい。
そのためにも、今は目の前の診療を誠実に向き合い続けていきたいと思っています。
2022年1月1日土曜日
令和4年も、何卒よろしくお願い致します
今年で開院して5回目の正月を迎えることができました。
また個人的にも、元旦が僕の誕生日ですので、令和4年1月1日で厄を終え43歳となりました。
僕を中心にして、家族、スタッフらの心身の健康を大切にして、患者さんにとって、治療的なクリニックになれるように、
安定的に頑張っていきたいと思っています。
本年も、どうぞ当院をよろしくお願い致します。