今日は、本田秀夫先生(信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授)が語る「発達障害の子の不登校」、課題と解決に必要な視点というコラムをネットで読んで、すごく感銘を受けたので、是非、皆様方も、検索して読んでみてください。下記にて概要と僕の感想を混ぜて、ブログとさせていただきます。
子どもの数は減っているのに、小中学生の不登校が24万人を突破し、過去最高を記録するなど、学校というあり方が問われています。不登校の原因の中で、発達障害が背景にあるケースが多いと、日々児童精神科の診療をしていて感じています。多様化した社会を構築していこうという理念はいいけど、学校という閉鎖的な場では、依然として画一的なカリキュラム、画一的な集団活動やルールが設定されている。そこに合わない子(特に発達障害傾向のある子たち)が、しんどくなるような仕組みになっている。全員、同じカリキュラムで校則などルールを守らせようとする。そうした背景から、より多様化し、障害がある子もない子も共に学べる環境と、障害のある子が個別に学べる環境のどちらも活用していく方向性の中で、文科省が推進する「インクルーシブ教育システム」の考え方が重要になります。
そうした時代の流れの中で、R4年9月に、国連の障害者権利委員会が、日本政府に、質の高いインクルーシブ教育に関する行動計画を採択するように勧告しました。しかし、日本の文科省サイドは、特別支援教育を減らせと勧告されたと誤解しているように思います。その結果、発達障害の軽度の子たちが、これまで適宜支援教室を利用したり、加配で個別的な配慮で何とか学校生活を送れた子ども達の支援を減らされたりして支援を受けられなくなっている。
そうではなくて、国連の障害者権利委員会は、支援の必要な子どもに、「もっと通常学級で過ごしやすくなるように環境を整えなさい。」と言っているのです。欧米などの先進国の多くは、通常の教育の中で、一斉授業や一斉宿題なども随時廃止し、子どもの特性や能力に応じて、個別に教育プログラムや宿題を作成したりしている。板書が苦手な子には、タブレット端末で写真をとって、板書の負担を軽減したり、口頭での指示が入りにくい子には、視覚支援(写真、絵、文字)などを使って、わかりやすくなるように工夫するなど取り組んでいる。そのためには、通常の教育で、先生と生徒の数を少人数制にするとか、誰もが(95%程度の子どもが)教育を楽しく過ごせるように工夫する。そのような趣旨を国連から注意、勧告を受けたはずです。通常学級の人員配置の変更や、様々な支援などをするなどを棚上げにして、支援学級を受ける子を減らすという本末転倒な支援をしようとしていることに強い憂慮と危機感を感じています。