2024年6月26日水曜日

松下幸之助の人間観、人間道

  松下幸之助の本を読んで、古い本ですが、全く色褪せない普遍的な思想を、我々に与えてくれます。要約すると、人の成り立ちを辿ると、宇宙にまで発展していくが、宇宙は、「生成発展」で未だ、成長し発展していっている。そうした宇宙の一部として地球は誕生し、人類は誕生しているからこそ、人類もまた「生成発展」していくものとして存在していくことが、運命づけられているということ。その上で、人類が、現在わかっている生物体の中では、もっとも、高度で最強の生物として認識することが重要である。

 人類という高度で最強の生物として位置づけられているもっとも重要な要素として、人類は「衆知」ができるということ。「衆知」とは、様々なものや人の力を結集して、生成発展に活かすことができるということ。そして、その「衆知」に必要なことは、「あるがまま」の視点で、素直な姿勢で、自己を又は外界をみていくということ。

 素直というのは、人の言うことを素直に聞くとか、そういう単純な意味ではない。曇りのない心で、物事を見る視座だということになります。つまり、あるがままを受け入れるような心持ちや姿勢を持つこと。そこで、色々な学びや経験や出会いを通じて衆知していくこと。それで、調和し発展していくことが、人としての道であると説いている。これを忘れないで人類が生きていけたら戦争や争いは回避できる。それをしっかりと、心に刻んで生きることが、松下幸之助の遺言な気がします。今日は、そうした観念論、総論的な視点でのみ述べて、まずは、自分自身あるがままを受容して、ありのままに生きていけるように頑張りたいので、サウナに行ってきます。

2024年6月19日水曜日

両親が一緒に歩いているのをみて、人という字の意味を知る

 僕の両親は、父は80歳、母は75歳です。たまに、キャリーケースに、食料とか色々詰め込んで僕の家に持ってきてくれます。その帰りの両親の歩いている姿をみると、父は不整脈で歩行も不安定、母も頚椎、腰椎ヘルニアで、歩行は不安定。そんな二人が支え合って歩いている後ろ姿をみて、僕は「人」という字に二人が見えました。長年にわたって、お互いが支え合ってきている姿に、僕は感動しました。もちろん、その二人の歴史は、色々大変だったり、きれいごとではありません。だからこそ、素晴らしいし、面白い。できるだけ、支え合って、これからも夫婦で文字通り「人」として支え合って、やっていってもらいたいです。

2024年6月12日水曜日

人は、遠目でみると、普通。でも、近くでみると、みんな変!

 精神科の診療を通じて日々、感じていることがあります。

「人は、遠目にみると、普通に見えますが、近くで、まじまじと精神科的にみると、それぞれ、みんな変!」ということです。

 すべからく、みんな変です。夫婦問題にしても、交際しているときは、相手が良く見えても、結婚して、夫婦になったら、お互いに変だと思うものです。でも、お互いが各々、変なんだということを、認識してからが大事で、相手が変わらないといけないからスタートすると、関係は悪化します。まずは、相手のあるがままを受容する。その上で、折り合いをつけていく。そういうスタンスが大事だと思っています。だって、自分だって変だということを忘れてはいけないと思うんです。

 そんな変な自分と、縁をいただいて一緒になって夫婦になったのなら、そこの感謝をお互いに忘れてはいけないと思うんです。お互いに・・!

2024年6月5日水曜日

「嘘をつくな」と育てると、嘘つきになります。

 今回は、岡本茂樹先生著「いい子に育てると犯罪者になります。」という本から抜粋した情報を出します。幼少から「親に嘘をつくな」と親によく叱られるとどうなるか。親が、子どもに、「嘘をつくな!」→子どもは、嘘をついてはいけないと思うから、親にバレないように嘘を繰り返す→親が怒るの悪循環に至りやすい。この悪循環を、まずは、親が理解して、親が子どもに嘘をつくなと心理抑圧をかけることで、返って、自分の本当の姿や気持ちに蓋をしていきることを強要してしまう。→そこに、親が気づいて、こどもにすまなかったと謝罪して、子ども自身も自分の気持ちに素直になれて、その気持ちを、身近な人に相談できるようになって、嘘をつかなくなっていく方向にシフトチェンジしていく。こういう流れが大事だと思います。

 幼少から親が、子に「一度決めたことは最後まであきらめるな」と指導する→子;しんどくなって途中であきらめても、叱られるのが嫌なので、「あきらめてないよ」と嘘をつく→親に嘘がばれる→親は「嘘をつくな!」と厳しく叱る。→子:また嘘をついて、また叱られる→親が、「嘘をついてはいけない」という「家庭のルール」ができる。→子;次第にバレないようにうまく嘘をつく→嘘に嘘を重ねる生きかたになる→最後に「大きな嘘」事件を起こす、になるリスクが高まる。親にありのままの自分を出せない、受容してもらえないのが、問題の種になってしまうことがあることを、子育てにおいて知っておいてもらたい。

 世の中で、自己肯定感という言葉が普及し、やれていることを褒めて伸ばそうというのは、僕は、正直、しっくり来ないというか、薄っぺらい自己肯定感のように感じているし、大人が子どもに操作的、支配的にするために褒めているように感じる時があります。

 本当の、自己肯定感というのは、「そのままのあなたでいいよ」だし、失敗したり、問題行動をしたときに、ドンマイ!と寄り添ってあげることの方が、真の自己肯定感を感じられるようになると思います。

 自信を持つとは、どういうことか?人よりも、勉強できることか?運動できるということか?それでは、もっとできるやつが出てくる。誰よりも根性があるとか?だとしたら、「お前に根性があるなら、あいつを殺せるよな」と人に頼まれて、実際に殺人事件を起こした人もいる。根性を競っても、自分の身も他人の身も滅ぼしてしまうこともある。親が子どもに「小学校6年になったんだから頑張ってね」「お兄ちゃんに負けないように、あなた(弟)もしっかりしてね」といった言葉かけも、親は子どもを発奮させようと思って言っているのでしょうが、本人からしたら「今のあなたではダメ」というメッセージを送っていることになる。

 自分に自信がない子の多くは、「今のあなたのままではダメ」というメッセージをたくさんもらっている。だから、「今のあなたのままでOK」というメッセージが大事になるんです。そもそも自信とは、自分を信じることができるということ。もっと言えば、ありのままの自分自身そのものを信じることができることです。そのためには、親だったり、身近な大人が、ありのままの自分を信じてくれることが大事になります。なぜなら、あなたの自信があることは何ですか?勉強?スポーツ?外見?どんなものでも、自分より優れた人や能力を持った人は出てきます。周囲よりもできているというのは、優越感に過ぎない。(決して、優越感がダメだと言っているわけではありません。)テストで悪い点を取ってもOK、試合で負けてもOK、勉強でも運動でもお兄ちゃんよりできなくてもOKと伝えることで、こどもが「自分は今の自分でいいんだ」と思えます。

 そして、こどもが「自分は今の自分でいいんだ」と思ったときこそ、自分から「頑張ろう」という気持ちが心の内側から持てるようになるのです。それを、待って、信じてあげることこそが、教育や子育ての本質だろうと思います。