2018年4月26日木曜日

ユーモアで、少しでも患者さんの心を軽くさせたい

僕は日々の診療で、少しでも患者さんに治療的に関わりたいと思っています。(そう思っていない医者は、基本いないと思いますけど)
そのために、医療上の知識や、薬物療法、精神療法などの理論や技法を勉強しています。

でも、その日々の診療で患者さんを目の前にしたときは、上記で述べた勉強しているはずの『○○療法を、今、自分がしている~』という「理論や技法」 とかは、すぐにぶっとんで、真っ先に『何か少しでも折角受診に来てくれた患者さんに、自分が役に立つことはないかな~?』と、梅干のような脳みそで一生懸命考えています。

そうした診察場面で感じていることは、患者さんの話を真剣に聞いて、そのつらさをねぎらうという「理論や技法」以前の、人として親身に関わるということ、また、その底流に感じられる「人柄」が最も治療的に効いているような気がしています。(自分で言うのもおかしいですけど)
まさに、川崎医大の青木先生のいう「人柄精神療法」ですね。
もしかすると、精神科診療において、理論や技法よりも「人柄」の方が治療的に大きい要因かもしれない、と感じている今日この頃です。

ちなみに、僕の人柄に内在されたものとして
・ひょうきん
・ユニークな変さ
・素直さ、純朴さ
・きっと自分はいいヤツや、と思い込んでいる
などを駆使して、笑わせる技術は乏しいですけど、天性の笑われる技術(天然な部分を含む)はあると思うので、何とかそれを磨いて、患者さんの気持ちを軽くできるユーモア(失笑、苦笑などを含む)で、患者さんに診察を通して『問題はすぐには解決はしないけど、何か面白かったな~、少し心が軽くなった気がする』と、少しでも思ってもらえる確率をあげたいな~、これが今の自分の目標です。

負け惜しみですけど、医者が明石家さんまさんみたいに、患者さんを意図的に笑わせる技術を持つと危険です。
患者さんを笑わせすぎて、ひきつけでも起こさせたら大変ですから。(これも苦笑)

ちょっとでも、自分のつまらないユーモアや自分の失敗談などで患者さんを励まそうとして、反対に患者さんに励まされたり、苦笑、失笑させたりすることが、僕の真骨頂なのかもしれません。
診察を通して、僕のつまらないユーモアで少しでも患者さんの心を軽くさせたいな~。



2018年4月19日木曜日

ピンチや逆境を乗り越えたいなら、「Why?」ではなく「How?」で前へ進め!

松岡修造さんの、日めくりカレンダーの一節に、
(日めくり まいにち、修造! [カレンダー] / 出版社:PHPエディターズ・グループ)
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僕は現役時代、試合に勝てない時期があった。「Why(なぜ)?」で埋め尽くされ、心はどんどん後ろ向きに。
でも、ある時、気がついた。
過去を振り返るばかりでは、悪い状況は変えられない。
僕は「How(どうやって)?」という言葉を使い始めた。
どうやったら今よりも状況をよくできるのか?
ピンチや逆境を乗り越えたいなら、「Why?」ではなく「How?」で前へ進め!
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松岡修造さんの熱く、かつ実感のこもった言葉が直球で突き刺さります。

どうしても、我々は何か問題が生じたり失敗すると、すぐに「Why(なぜ)?」に埋め尽くされます。
でも、その気持ちの中に、多分に「怒り」の感情が沸き起こっている。
その沸き起こってくる「怒り」を、どうにか鎮めて、「How(どうやって)?」で前に進めるように頑張りたいですし、そうした支援ができればと思って日々診療しています。

でもすぐに、僕自身、仕事や私生活など日々の生活で、なかなか思うようにいかなかったりすると「怒り」の感情が、すぐに沸き起こってきてしまいます。

僕自身もまた、その心の中で沸き起こってくる「怒り」の感情を、自分で自覚してコントロールできるように日々葛藤しながら取り組んでいることを、ここで示します。

本当は、
『瞑想、マインドフルネス、ヨガ、ウォーキングなどの有酸素運動などを取り入れています。』
といいたいですけど...
色々な言い訳ばかりが出てきて、怠け者の自分は出来ていません。

【具体的に作田がしていること】
・以前、当ブログにも書きましたが、エレベーターに一人で乗った時には「閉める」のボタンを、ゆ~っくり押すようにしています。
  (以前は、連打していました。これにより、心のスピード感を少~しだけslowに調整しようとしています。)
   ⇒ ・いつも心にポレポレ 
     http://saku-mental.blogspot.jp/2018/02/blog-post_15.html

・「怒り」の感情を自分で認識したら、自分の心の中で「怒っている」と3回、自分に言い聞かせています。
  それだけでも怒りは多少は鎮まりますし、怒りに身を任せた言動は減らせる気がします。

・適切な睡眠や食事を含めた日常生活を大事にしています。
  日常生活のルーティンを送ること、そのものに、心の安定を支えてもらっている実感があります。

・そして、何よりも「感謝」の心を、日々意識するようにしています。
 「感謝」することが、最も怒りから自分を遠ざけてくれているような気がします。
 (でも、すぐに、そのありがとうの気持ちは忘れてしまいますけど(苦笑))

どうですか?この程度なら、少しはできそうではないですか?
怒りの感情を、自分でセルフモニタリングできるようになると、後は何とかなる気がします。
基本、本当に余裕がないと、その「怒り」そのものが、良くない感情であるという認識すらできませんからね。



2018年4月12日木曜日

感謝祭り

さくメンタルクリニックを開院して半年が過ぎ、おかげ様で4月を迎えることができました。
開業してから、本当にたくさんの方に支えられていることにあらためて気付けたことが、自分にとって、もっとも大事な財産になっていると感じている今日この頃です。

今日は、その感謝を言葉にしまくりたいと思います。

亡くなった祖父母を含むご先祖様や、両親、妻や3人の娘たち、兄、姉家族、親戚の皆様、保育園、小学校、中学校、高校、予備校、大学時代の先生や友人、同級生、塾の先生、サッカーの監督、研修医、勤務医時代の同僚や指導していただいた先生方、当院で働いてくれているスタッフや当院の後方支援をしてくれている方(大家さん、電カル業者、事務局、大工さん、セコム、最近購入したお掃除ロボ「ルンバ」)、これまで食べてきた食物を含めた衣食住や、それをサポートしてくれているユニクロ、農家、自然、日本という社会そのもののおかげで、今日も生かされています。

上げ出すときりがありませんが、今回のブログタイトルの通り「感謝祭り」ということで、大げさですが森羅万象に感謝しているぐらいの勢いです。

その日々の感謝を胸に、診療をさせていただき「ありがたい」毎日を送られせていただいています。

その感謝を力に変えて、眼の前にいる患者さんが、少しでも楽になれる、良くなるお手伝いができるように診療していきたいと思います。



2018年4月6日金曜日

ちょっと心にしんどさを抱えている治療者が、心にしんどさを抱えている患者さんを治療している。

僕は診察室で、結構自虐的に「僕もADHD気味なんですけど、何とかぎりぎりでやっています。」とか「ちょ っと僕は不安神経質やから○○さんに聞きますけど~」と、自分がADHDといった発達障害の傾向があることや、人一倍不安が強くしばしば不安や怒りに押しつぶされそうになること、これまでの挫折体験などを、診察場面で打ち明けることが度々あります。

患者さんにも自分のしんどさを打ち明けてもらって、僕もさりげなく自分のしんどさを話すと、不思議と治療の同盟を結んでいるような気がしてきます。

また、顔なじみの通院患者さんから「先生、今日は顔色が悪そうやけど、大丈夫?」と不覚にもこちらが反対に心配されて、どっちが患者さんかわからなくなってしまう時もあります。
その瞬間、主治医と患者さんの関係は、逆転してしまいます。
そんな時、僕としては心の中で「やばい、ば れてしまった。患者さんに、逆に心配させてしまって申し訳ないなぁ~」と反省したりします。

ちょっと心にしんどさを抱えていて、何とか生きている状態の治療者である僕が、心の病んだ患者さんと向き合っているということを、自覚する日々です。