2022年1月26日水曜日

レジリエンス(主体的に困難に立ち向かう力)=「自己肯定感」+「社会性」+「ソーシャルサポート」

先日、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授と小児脳科学者・成田奈緒子医師が語る「子どもの脳を育てる3要素」というネット記事をみかけて感銘を受けたので、勝手に抜粋して紹介したいと思います。

発達障害のある方の多くは、主体的に困難に立ち向かう力である「レジリエンス」が低くなりやすい傾向にあります。
「レジリエンス」は「自己肯定感」「社会性」「ソーシャルサポート」の3つの要素で成り立っていると言われています。

発達障害の子供は周囲に理解されにくいため「自己肯定感」が低くなることが多く、さらに社会相互作用の障害であるため「社会性」も同様に低くなることが多いです。
また、「ソーシャルサポート」とは「周りの人に助けられているということを実感する力」であり、発達障害の子供が「できない~、助けて~」とSOSを出したときに、それを周囲が理解し支えてあげることにより「私は誰かに支えられていることを実感していますよ」と認識していることが重要となります。

この3つの要素の中でも「自己肯定感」は、なかなか上がりにくく「自分なんてダメだと感じてしまう気持ち」は、なかなか変えられません。
「自己肯定感」は、思春期年代まで(中2~10代まで)しか上げることはできにくい為、20代以降で自己肯定感を上げることは難しいのです。
そのため思春期年代までは、できるだけ自尊心を上げていく関わりが重要となります。
「社会性」も同様に、発達障害の特性でもある為、改善していくことはやはりなかなか難しいです。

しかし、この3つの要素のどれかが上がれば、本人のレジリエンス(主体的に困難に立ち向かう力)は上昇させることができます。
また、自分ができないことをちゃんと理解して、誰かに「助けて」っていえる援助希求能力を育み、それを周囲が理解してサポートしてあげることで「ソーシャルサポート」を上昇させることの重要性を、この対談では述べられていました。

まとめると、大人の発達障害の人には、誰かに支えられているという実感を持てる関りが重要になります。
子どもの発達障害の人には、自尊心を育み、社会性も、できる範囲で療育などで学び、周囲の人に支えられているという実感を持てるような受容的な環境に身をおくことが大切になります。
この3項目の足し算が、発達障害の支援において大事な公式になると思ったので、ここで報告させていただきます。