2022年1月19日水曜日

発達障害の過剰診断について

僕は、児童精神科医、精神科医として毎日2歳から大人までの発達障害の診療をしているため、どうしても発達障害という知識が多い影響もあり、また、そうしたことの診断の意識が高いため、他院よりも発達障害の過剰診断になりやすい傾向があります。

ここについては、賛否両論あると思うのですが、発達障害の特性や症状が原因で、うつ病とか心身症、不安障害などの2次障害となっているのか否か?
或いは、そもそも発達障害がベースに有るのか無いのかによって、これまで歩んできた人生の生きにくさの累積加算が違ってきます。

また、精神症状が回復して、その人がその人らしく生きていくという自己受容というテーマのためには、発達障害のアセスメントは、とても大切になってくると思います。
「病気を診ずして 病人を診よ」という格言がありますが、精神科的には発達障害というベースの有無が、その人、各々の持つ生きにくさの理解の部分で、発達障害の視点は、かなり重要な位置を占めていると思っています。

だからこそ僕は、なるべく発達障害の2次障害としての精神症状なのか、そうではないのか?には、鋭敏でいたいと思っています。