2022年4月27日水曜日

建築家の匠との定期的な面談

R2年から数か月に1回の頻度で、建築家(広島県在住の匠!)と面談しています。
前回の面談で建築家に言われたことは、「自分と一緒に暮らしてくれる家族って、お金で買えないものですからね。それは、本当に感謝ですよ~」としみじみと共有し合いました。

高級車とか高級住宅とか、美味しいものとか、確かにお金で買えるものは、どんなに素晴らしいものでも一瞬から数か月以内に飽きてくる。
もちろん、そうした物質的な豊かさは必要だし、人はそうしたものを求めるけど、結局そんなものはチープなもので人生をかけるほどの価値はないんだと思います。

夫婦とか子育てとか、家族とか、そういう人間関係、一緒に暮らしていくことの大切さ。
そのことと向き合っていくことの方が、よっぽど面白い。
家族と一緒に住んでもらって、そこから得るものはお金では買えない。
何を食べるか、どんな家に住むか?よりも、誰と食べるか?誰と暮らすか?その人との紡いでいくリアルな関係性を大切にしていく。
こっちの方が人生としては大事だということを建築家にまた教えてもらった気がしています。

次回の面談も楽しみにしています。

2022年4月20日水曜日

子どもとの関わりで親自身が留意すべきこと

診察中の一幕で『子どもを褒めるようにしています』と、親御さんが話されるのでこちらが突っ込んで聞いてみると、親が子どもにやって欲しいことをしたときに褒めるという「親の下心褒め」になっていることがよくあります。
特に自閉スペクトラム症傾向のあるお子さんは、自分の関心、やり方、ペースの維持を最優先させたいという本能的志向が強いので、親の命令に対して抵抗や猜疑的になったりしてしまうリスクがあるのです。

そのため、子ども自身にとっての損得などを感情的ではなく理論的に説明してあげて納得すれば行動は変化しうる可能性はあがると思います。
その最初の分岐点が、子どもの利益のためなのか?です。

この最初の分岐点を親サイドはセルフチェックしてから、子どもに説明し関わることが大事な気がしています。
つまり、自閉スペクトラム症の子の親の関わりで重要なことは、説得はダメだけど説明が重要だということですね。

2022年4月13日水曜日

対人関係で一番大事なこと

診療場面で多く扱っていることの多くは、対人関係です。
どれだけたくさんのお金や、地位や名誉よりも、幸福感に一番重要なのは、身近な人間関係が良いことが最も大事なことになってくると思うのです。

その対人関係で大事なことは、イライラ、怒りを生じた状態で対人と関わると悪化するということです。
自分の診療で一番意識しているのは、患者さんのことではありません。
自分の心の中にあるイライラを日々モニタリングしています。
そのイライラが少しでも生じてきて診察すると診察はうまくいきません。
これは、日常の対人関係でも同様です。
夫婦関係、子育て、友人関係、恋愛関係なんでも、そうです。
イライラの対極にあるものがユーモアです。

なるべくユーモアを大事にしていきたいと思っています。
ダッフンダ!

2022年4月6日水曜日

自然体で生きることの大切さ

人は対人交流において、意識、無意識に関わらず、ほぼ条件反射的に場面に応じて「自分」を作り出しています。
場面(学校とか職場とか、場合によっては家庭)によって、対人の緊張の度合いが強まると、作り出す自分像の変化量が大きくなりやすくなります。

そこが進行していくと、HSP状態
(対人に対して過敏な状態)
 ⇒ さらに進行していくと
  ⇒ ペルソナ(社会的仮面)状態、過剰適応、社会不安(場面緘黙を含む)といった、いわゆる対人や社会に対しての燃費が悪くなってきます。

そうなる背景には、本人自身が生来、自閉スペクトラム症の特性(診断レベルではなく、特性レベルというカテゴリーでいうと、約3割の人はASD特性があるものとして捉えています)の傾向があったり、幼少からの養育環境で愛着障害的(ここも、虐待とよべるものではなくとも「べきべき養育」(過剰適応した本人を褒めて、自然体の自分ではダメだしされる養育のこと)に、そのままの自分を受容された体験が少ない影響があったりする。

僕は、現在でも自分の自然体とか素の延長線上で、社会的な場面や家庭でも、そこまで無理しないでやれています。
診療していると、患者さん自身の特性の影響だったり、患者さんの養育環境の過程の中で、広義の愛着障害傾向の影響もあってか、長年、自分自身や周囲の人から自分らしさを否定されてこられた方が多いという印象を抱いています。

そうなると、社会では違う自分でやっていくスタイルをとりやすいので本人自身も、周囲の人も、無理が影響しあってしんどくなってきます。
社会上でペルソナ化していると、本当の自分を出さないために、長年社会で交流している人に対しても表面的な人間関係となりやすく、本当の意味で仲良くなったりはできにくいのです。
その根源として、本人自身が自然体で日常を送れてない時間や場面が多いという部分があるのだと思います。

ディズニー映画の「アナと雪の女王」のエルサも、最初は自分は人と違う特性に気づき、親からもそうした特性を否定されて、自らも自己を否定し自分の特性を恐れて隠蔽して生きていましたが、妹のアナの受容的な関わりによって、自己受容が進み「ありのまま」の自分を受け入れることができるようになりました。
少しでもエルサのように自然体で生きていける変化ができるようになるといいなと願って診療しています。