2018年8月23日木曜日

旅行が大好き!

僕は医者という道を志し、医学部に入学するまでに3年間の浪人生活を過ごしました。
3浪目が決まった時、桜が散る春の季節にもかかわらず、落ち込んでいた当時の僕は、自宅で寝込んでばかりいました。

そんな寝込んでばかりいた当時の僕は何を思ったのか、ふと「そうだ、とにかく南の方角に行ってみよう。何かが見つかるかもしれない。」と思い立ち、いつも日課のように母と一緒に見ていたNHKの朝の連続ドラマをみてから、「とにかく自転車で旅行に行くから、お願い行かせて。」と、母を一方的に押し切って、ママチャリで大阪から神戸、岡山の方面に向かいました。

生きていく自信さえも無くなっていた当時の僕は、もう何もかもが嫌になっていました。
でも、そんな状態だったにもかかわらず、無謀にもママチャリで挑んだ旅行先の1つである神戸の異人館で食べたケーキが、たまらなく美味しくて感動したのを今でも鮮明に覚えています。

また、間違って高速道路をママチャリで走ってしまい、やっとたどり着いた料金所をママチャリで降りたのを覚えています。
高速道路を、ママチャリで必死で漕いでいる僕の隣を、時速100㎞の車がビュンビュン走り去る状態は、正直、生きている心地がしませんでした。

そして、岡山県備前市の旅館に、息を切らしながら、突然おしかけ 「泊めさせてください。」と無理なお願いをしたにもかかわらず、快く泊めさせてもらうことができました。
その旅館で、普通に布団で寝れることが、どれだけありがたいことか気づきました。

本当は、宮崎県や鹿児島県を目指していたのですが、何せ突発的に思いつきでとった行動だった為、その一泊で、お金はすぐに尽きてしまいました。
旅館に泊めてもらった翌朝は、ビックリするぐらい全身筋肉痛だったのですが、そんな事も気にせず、そのまま大急ぎで大阪の自宅に引き返したのを、つい昨日の事のように思い出します。

翌年、無事に医学部に合格出来たのですが、その時の思い出が忘れられず、学生になってからも暇をみつけてはバックパッカーで世界各国、日本中を旅行しました。

今、悩んでいるところから、とにかく離れて違う場所に行く、違うことをすることで、何も問題は変わらなくても、その問題の受け止め方が劇的に変わることを経験しました。
現在も暇さえあれば、旅行に行っています。

僕は旅行が大好きです。



2018年8月8日水曜日

急がば回れ

みなさんも一度は聞いたことのある言葉で、忘れがちだけど実はとても大事な言葉『急がば回れ』。
この『急がば回れ』とは、“ 急ぐ時に危険な近道より、遠くても安全な本道を通る方が結局早い ”という安全で着実な方法を取れという戒めです。

この語源は、室町時代の歌で
“ もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋 ”
から由来しています。

当時、京都へ向かうには、矢橋から琵琶湖を横断する海路の方が瀬田の橋を経由する陸路よりも近くて速かったのですが、比叡山から吹き下ろされる突風により危険な航路だったため、このような歌が歌われたようです。
当時の東から京都へ上る人々も、リスクを感じながらも近道を選択し、結果的に日程が大きく遅れてしまうことが結構あったのかもしれませんね。

実際、僕も滋賀県を旅行した際、琵琶湖を迂回せず、琵琶湖大橋を車で横断し近道しました。
しかし、心の問題に取り組む際は近道という選択肢なんて無く、一足飛びにはなかなかいきません。

我々は、心の問題に直面するとついつい焦ってしまい、不安に駆られると急いで大きな課題から取り組もうとしてしまうことがよくあります。
心の問題に関しては、できるだけスモールステップで、少しづつでも出来る範囲で『小さなことからコツコツと!』の、西川きよし師匠療法でいきましょう!
心の問題については、『急がば回れ』これを大事にしていこうと、心に留めて診療しています。



2018年8月2日木曜日

決して、暴言や暴力を振るわないように

1200年前、伝教大師 最澄は、日本の国の安泰と国民の幸せを祈って、日本人に合った仏教を比叡山に開きました。
< Wikipedia 最澄 >

その教えの根本をなすものは、「個々が思いやりの心をもって一隅を照らす人になる」
すなわち、一人ひとりが相手の立場に立って考え、自分の出来ることを精一杯行なうことが、周りを良くすることにつながるということです。

先日、比叡山に宿泊した際に延暦寺の僧侶から、最澄の最後のことばを教えてもらいました。
最澄が亡くなる前に弟子たちに伝えたことは、「私は、今まで生涯で一度も、暴言や暴力を振るったことがありません。これからも、皆さんが、相手を思いやって、決して暴言や暴力をしないでください。」と説かれて亡くなられたそうです。

そういえば、日野原重明先生も亡くなる前まで精力的に講演をされていて、そこで訴えておられたのは、
「人生で一番大切なことは「人を赦すこと」です。どんなことがあっても、他者を恨んだり怒ってはいけません。この赦すことが、唯一平和を守る手段であり、この世界から戦争をなくす唯一の方法なのです」と話されていました。

ちなみに、延暦寺での説法を頂いた翌日に、僕は娘を速攻で怒鳴っています。
自分に残念です!
でも、できるだけ暴言を慎もうと思っています。