2022年7月27日水曜日

自分が自分であろうとすることが人生最大の使命

今回のブログは、下記書籍の内容で、すごく印象に残った一説を自分なりの解釈を入れつつ述べたいと思います。
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 「自分の心」をしっかり守る方法
  加藤諦三 著、三笠書房
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自分が自分であろうとすることが人生最大の使命。
それこそが、同時に生きている苦しみから解放される方法である。
自分が自分らしく生きていくことにOKを自分で出せれば、人から気に入られたいという、とらわれの感情から解放されていく。
自分を大切にする人にしか、本当の意味で他人を大切にすることはできない。
人は自分を受け入れる程度にしか、他人を受け入れられない。
自分を愛する大きさでしか、結局は他人を愛することはできない。
これが、心理学者シーベリーの指摘する健康的利己主義です。(世間のいう自己中心性ではなく。)
「あなたがよければ私はそれでいいの」というようなことをいう人は、神経症的非利己主義である。
そこには、隠された憎しみがある。
だから、そういった人の身近な親子関係や男女関係はおかしくなっていく。
神経症的非利己主義の最大の問題は、生きるエネルギーを徐々に失っていく。
努力しても消耗するだけ。
根っこは利己主義者なのに無理して非利己主義者のように振る舞うから疲れる。
心の底では憎しみが生まれる。
そこには愛がない、常に相手から見返りを求めている。
しかし、求めたものは返ってこない。
悔しさを常に抱えてしまうことになる。
まわりの気持ちで、自分の人生の苦しみをとりのぞいてもらおうというスタンスになる。
相手が罪悪感を抱いて、自分に対して優しくなってくれるのをただ待っている。
これではむしろ本人の身近な人はあなたから去っていってしまう。
だからこそ、あなたらしさを理解し、あなたらしく生きていくことを応援したい、それが僕の今の気持ちです。

2022年7月20日水曜日

勉強の仕方

イチロ―選手や王貞治選手などは、理論的に技術的に学ぶタイプで、新庄選手や長嶋茂雄選手は、感性派に大きく大別されますよね。
ちなみに、僕自身は感性派だと思います。
受験勉強の時も最終的に叩き込む感じで勉強マシーンになり、条件反射的になって医学部に合格しました。
そのため、ちゃんと理論的、技術的に受験勉強してないので、受験の時に得た知識は既に雲散霧消しています。
現在もたくさん精神科的、心理学的な学習をしていますが、頭の中に叩きこんでやっている感じです。
あなたは、どっちタイプですか?

2022年7月13日水曜日

精神疾患発症の流れ

『発達障害』は生来上の特性で、『愛着障害』は虐待的な養育を受ける事で発達障害に近似した対人関係特性が生じてきます。

ともに共通しているのは『愛着スタイル』といって、近しい人に対しての対人関係に強い影響を与えます。
人間が幸福になる上で最も重要なことは、身近な対人関係が良好であることにつきると思います。

その上で『発達障害』や『愛着障害』を抱えた人たちの多くは、身近な人間関係に悪循環が生じやすくなるのです。
どうしても、寂しいとか不安になると素直に表現できずに怒りで相手を責め立てたりして、結果的に、余計に寂しい状態になるという悪循環に陥りやすくなります。

そのため、対人関係上の悪循環の改善のためのカウンセリングなどを受けたりしていく必要がある人が世の中に多くなってきていると感じています。
それだけ軽度(※ここでいう軽度は、病態が軽度なだけであって、精神病理といった悩みの深さが軽度というわけではありません。)の『発達障害』や『愛着不全』などを根底に抱えて、日々の社会生活が生きにくくなっている人が急増していると感じています。
だからこそ当院の役割はとても大切だと思って診療しています。

2022年7月6日水曜日

高ストレスの対人関係になったら

私見ですが、昨今の仕事内容では、マイペースに自分のやり方にこだわってやれる職人的、直列的な仕事の多くは機械やAIがやるため減りつつある一方で、サービス業などの対人コミュニケーション、並列的、臨機応変さなどが必要な仕事内容が増えています。

また、家庭においても核家族の進展により、親1人にかかる家事や育児の負担感(ここでは、心理的な負担感を特に意識しています)が強まっています。
江戸時代から高度経済成長期までの間は、家族がグループ単位で根強く機能していたため、嫁は家庭内で姑という上司の部下になるため、上司にあたる姑に対して部下である嫁が不満を抱くという構造があり、長い年月を経て嫁が姑の立場になると、また、姑と嫁の関係(上司、部下の関係)になることを繰り返しつつ、家族という単位を機能させてきたと思うんです。

しかし、現在は核家族になり、姑を家族の単位から追い出して、嫁の不満の矛先は夫に向かうという家族構造に変貌しました。
その構造の中で、夫婦で双方のこだわりや価値観がぶつかり、そこから抜け出せなくなった夫婦関係の多くは、アスペルガー症候群の夫とカサンドラ症候群(実は、カサンドラは低濃度域のアスペルガー症候群であることが多い)の妻の戦いになってしまいます。
小さな問題が大きな問題に発展しやすく、どちらが正しいとか間違っているかなど、問題指向の関係になってしまうものです。

まず、そうした高ストレスの対人関係になったら密なコミュニケーションや話し合いを避けて一旦距離をとるということを意識してもらいたい。
(ラインとかメールでやり取りする。一旦家を出て頭を冷やす。一人旅など。)
そうしたら問題から距離がとれて視野が広がったり、今抱えている問題が小さくなることを感じて欲しいのです。
それでもダメなら、もっと距離をとる方法を考えていきましょう。