小4以降、本格的に不登校になったお子さんで「学校にいけない子」ということで、当院に通院される方は、結構おられます。
通院加療上に目指す支援は、学校にいけるようになることではありません。何よりも、学校に行かないと自分で決められる子にすること(※小4以降の児童を指しております。)が大事です。学校に行かないと自分で決められる子は、その代わりに、放課後児童デイに行くとか、塾に行くとか、別室登校など、自分で選択し、決断し、実行できるように、長期的にはなっていくことが多いです。
不登校の達成目標、支援目標は、本人自身が人生の主人公になることです。親の目、先生や他者の目を気にして生きるより、まず第一に、自分が自分の人生という物語の主人公になることが、最も大事なことです。だからこそ、学校に行かないと自分で決断したことを、まずは、否定するのではなく、そこを受容、尊重したうえで、支援を考えていく。ここを我々親を含めて支援者は、忘れてはいけないところですね。
当然、親御さんにとっては、不登校となったお子さんが、社会の当然のルートから外れることの不安が強まり、お子さんに、厳しく指導したくなるのはわかります。でも、親が、本人よりも前面に出て、お子さんが、学校に行くようになって、親は満足なんでしょうか?
「誰のために学校にいっているのか?」は、あくまで「自分のために学校にいっているねん、自分のために勉強しているねん。」だったら、いいと思います。
児童期に、親の目を気にする子どもになってほしくありません。それよりももっと大事なこと、自分自身の心を気にする子どもになって欲しい。そしたら、青年、成人期になって、精神科に受診することを防げます。
僕は、そうやって、おとなになってから、精神科に受診する必要がなくなるように予防的支援を重要視したいのです。