2019年10月24日木曜日

予約時間・予約変更・診察時間についてのお知らせ

開業して2年が経過し、たくさんの方に通院いただいています。
「待ち時間が長くなる」場合が多くなってきましたので、改めて当院では診察時間の枠組みを明示することとしました。


◎予約時間について

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予約時間につきましては目安の時間になりますので、ご了承ください。
(例えば10時予約ですと、10時 ~10時半までの枠となります)
・基本は予約時間帯毎にお越しいただいた順番で診察させていただきますが、内容や状態によって前後する事もあります。
・予約時間よりかなり早く来られた場合でも予約時間帯毎ですので、予約時間枠通りに来られた方を優先し診察させていただきますのでご了承ください。


◎予約変更について

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当院では、前もってご予約をいただいている方の診察時間を優先しております。
そのため、急な日程変更や当日来院のご要望は、薬が無くなった等のご事情があったとしても、お受けできないことがあります。
ご理解・ご協力のほどお願いいたします。


◎診察時間について

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・初めて診察される方はおよそ30分
・2回目以降の診察はおよそ5分~10分


少しでも楽になっていただきたいという考えは開院当初と変わっていません。
限られた時間で一人一人の方と治療的に向き合うため、当日「伝えたい」「確認したい」内容を簡単に予約表等へメモしてきていただけるとスムーズにお話しができます。
「何から話せばよいのか…」「言いたいことが上手く伝えられない」等ご不安な場合は『一番気になっている・聞きたい事』を書いたメモをご参考に診察時お話ください。

「1ヶ月に一度の通院だと話す事がいっぱいありすぎて時間がたりない、もっと話を聞いてほしい…」というお声もいただいています。日常のストレスをためすぎるとしんどくなってきます。ご負担でなければ3週間に1度、2週間に1度という風に周期を短くして都度肩の荷物をおろしていってください。

また、当院では心理士のいる曜日がありカウンセリングをおこなっています。
伝えきれない事や、医師には話にくい事でも心理士になら話せる事があるかと思います。カウンセリングについて料金や日程等、受付へお気軽にお尋ね下さい。
来院自体が初めての方は診察からになりますが、2回目以降はカウンセリング予約をとっていただき当日おこしください。カウンセリングのみ希望で診察が必要ない場合はご予約時・もしくはカウンセリング開始までに受付へお申し出下さい。
※ ただし、お薬が必要な時は必ず診察をおうけ下さい。



2019年10月10日木曜日

医師になろうと思ったきっかけ

前回のブログでは、精神科医を選択したきっかけについて少しご紹介させていただきましたが、今回の内容も前回同様「先生は、なんで医師になろうと思ったんですか?」と患者さんに聞かれることがあるので、今回はもう少しさかのぼって医師を志したきっかけについて少し触れさせていただきたいと思います。

僕が医師になりたいと最初に思ったのは、小学生の低学年の頃でした。
それは、自分の曾祖母の遺体を初めて見たことがきっかけでした。
あまり意味も解らず両親に連れられていったお通夜で、顔にそっと白い布を置かれた曾祖母らしき人が布団に寝ていました。
幼かった僕は全く何も考えず、その白い布をとり、曾祖母だと確信したと同時に亡くなっていることを直感的に感じ、びっくりして母のもとにかけよったことを今でも鮮明に覚えています。

身近な人の「死」というものを直面したその夜、幼いながら初めて「死」というものについて考えました。
まず、自分もいつかその日がくるということを考え、そして先に両親にもその日がくるということを考えると、為す術の無い恐怖で怖くて怖くて眠れず、両親の布団にもぐり込み両親の間に挟まりながら何とか少しずつ気持ちが安心していくのを感じ、ようやく眠れたことを思い出します。

その日以降「死」を意識するようになり、その影響で同時に自然と「生きる」ことも意識し、人間的に成長していける仕事に就こうと漠然と考えるようになったのです。
なので、幼かった当時の僕は、現実に触れることのできる距離で身近な人の亡骸を目の当たりにし「死」を意識させられたことが最初のきっかけで「生」を意識し、その延長で「仕事」を意識するようになり医師という職業に直結していったのかもしれません。

もちろん、きっかけを振り返ったときのこじつけととらえる事もできますし、その後、色々なモノの影響があったりするので全てではありませんし絶対確実なものでもありません。
あくまで、40歳の今の自分が振り返り語っているので、多分に脚色が入っているような気もしますが、その出来事で子どもの頃に眠れぬ夜を過ごし、多少かもしれませんが、それ以降の人生に影響があったことは事実です。



2019年10月3日木曜日

精神科医を選んだ理由

先生は何で精神科医を選んだんですか?と患者さんに聞かれることがあります。 
今回のブログは、小学生の頃に抱いていた夢から医学生時代を振り返り、全ての理由ではありませんが、僕が精神科医を選択した理由について少し触れたいと思います。

僕は小学生の頃、当時読んでいたある漫画の影響もあり、内科でも外科でも何でも診れる総合診療医になりたいという夢を持っており、いつの日か診療所を開業して地域で信頼される医師になりたいと思っていました。

しかし、みなさんもご存じのとおり、医師といっても、それぞれ専門領域が違い、それぞれの診療科目があります。
医学部に進学し、外科、内科等の診療科目や専門領域は関係無く一通り医師としての勉強や実習を行っていく中で、どの領域に進もうか、または総合診療医になるにはどう進んでいこうか、などと決めて行かれた先生も多いと思います。
僕自身もそういった医師の卵の一人でした。
※ もちろん、診療科目や専門領域は既に決まっていて、その意思をずっと貫く先生もたくさんいらっしゃいます。

よく仕事には、頭脳労働、肉体労働、感情労働の3つに大別されるといわれます。
ほとんどの仕事でもそうですが、あくまで大別されているだけであって、頭脳、肉体、感情の占める割合だということは言うまでもありません。
医師も同様に、どの診療科目であっても、それぞれの要素は必要不可欠ではありますが、僕が学生時代に、個人的に漠然と感じた占める割合の多さは、外科系が肉体、内科系が頭脳であるということでした。

正直なところ、学生時代には明確な選択の答えは出ず、医師となってから、医師である前に自分は人間として少しでも成長していきたい、そのために人間性を一番問われる仕事で勝負したい、と考えるようになっていきました。
その時に、僕が医師を目指したのも3つの中で感情労働を大事にしたかったんだということに気づきました。   
そう考えていた際に、精神科の診療をみて、これが僕の仕事だと思ったのがきっかけです。
それに児童精神科という専門領域を知って、児童精神科に進めば子どもから大人まで、すべての人生に関わるという「総合医」になれるな、と腑に落ちて精神科を選択して今に至ります。

子どもの時に夢みた総合診療医にはなれなかったけど、子どもから大人、老人まで、老若男女の患者さんに、このクリニックに来ていただき、あらゆる精神的な疾患を総合的に「心療」させていただいています。
「総合診療」ではないけど「総合心療」で、地域にちょっとでも支えになれるように、子どもの頃から抱いていた夢に向かっていけたらいいなあ~と思って、前進していきたいと思います。