僕は、児童精神科、精神科の専門医で、家族療法を大事にしているからこそ感じていることがあります。
夫婦関係で、大事なことは、どっちが、正しくて、どっちが間違っているなどにこだわるとおかしくなります。そもそも夫婦は他人同士なんだから価値観が違う。お互い様だということを大事にすることがいいと思います。
時代背景的に、特に男性陣は、頑張らないといけないステージにあると思います。そうした時代背景を、ちゃんと受け取って、我々男性陣は頑張っていきましょう。
僕は、妻に「何でわからへんねん~」と思ったら、心の中で、震える機能が、40歳を過ぎたあたりから、搭載されるようになってきました。妻に、「何でわからへんねん~」と言ってしまいそうになったら、家を飛び出して、サウナに直行して、水風呂で頭を冷やして「分かり合えるわけないよな~」と、脳内を整理して、整えていきます。その後は、1週間くらい、夫婦の会話は途絶えます。でも、夫婦喧嘩は、台風と同じようなものなんで、過ぎ去ると、お互いの緊張感は少しずつ減弱し、徐々に喋るようになり、振り返ると何で喧嘩したのかを思い出せないことが多いです。
夫婦関係は、各々の夫婦によって違うから、夫婦で一緒に作っていく共同作業です。先に、理想があり、そこを目指すとおかしくなります。理想にあてはめようとすると、「何で、あなたは、こうしてくれないの?」と勝手に被害的になったり、相手に求めてばかりになって、お互いの仲が悪くなるだけです。夫婦関係は、何年か経過したら、「くされ縁」という感じが、僕的にはしっくりきます。くされ縁という情がお互いに通って、何か一緒にいるとお互いが安心する。いないと、何か落ち着かないし寂しい。それだけで十分だと思います。