2017年12月28日木曜日

一見、意味のない雑談が大事

先日、久しぶりに前の職場(阪南病院)の同僚に会えました。
飲みながら、食べながら、しょうもない話をしては笑うという楽しい時間を持てました。

また、診察室で何年も通院してもらっている患者さんに、
「先生と、特に意味もない話を1か月に1回するのが大切なんよ」
と、微笑まれて診察を終えました。

この「意味のない」とか「しょうもない話」とかを一緒に共有できる、その関係性の重要性に気づかされました。
いつも診察で少しでも治療的に関わりたい、意味を持たせたい、と思って診療をしています。

だけれど、こうして一見「意味のない」ような雑談をすることで、その人となりが分かったり、関係性の重要性に気づけたり、絆を深めたり、心が軽くなったりします。
これからも雑談の大切さを胸に、診療していければと思います。



2017年12月22日金曜日

ユニバのクルーの一言

先日、子どもと一緒にユニバに行ってきました。

子どもが自動車を運転する乗り物に乗り込む際に、クルーの方と親もハイタッチして、クルーから
「お子さんが、運転するのを応援してあげてくださいね!」
と、一言かけてもらいました。

これまで、僕はこうしたアトラクションは子どもが乗り物に乗って楽しむだけと思っていました。でも、その一言で
「子どもは、僅か数分だけれど車を運転するという冒険に出るんだ。そして、それを親として応援する気持ちで見守ろう。」
と、自然と思えました。

クルーの一言で、子どもがアトラクションを楽しんでいるだけではなく、子どもなりに冒険をして成長しようとしているという見え方に変化しました。

また今度、ユニバでクルーたちにどんな言葉をかけてもらえるか楽しみです。



2017年12月14日木曜日

アットホームな治療環境を目指しています

僕は、これまで市民病院や精神科の病院などで勤務してきました。

それらと比較して「さくメンタルクリニック」は、日常生活に最も近接した医療施設となっています。
内装は医療施設というよりは、家とか旅館のようで玄関を入ると靴を脱いでもらいます。
スタッフは、普段着に近い服装で、医師も白衣を着用していません。
ネームホルダーを見て、ようやく誰が「受付」「心理士」「医師」なのか分かるくらいです。

例えば、我々は患者さんを「○○様」と呼ばずに、「○○さん」と呼ばせていただいています。
日常生活を考慮した治療環境を意識して、普段の日常で抱えている個人的な悩みや、家族や社会上の悩みを安心して相談できる場になりたいと考えている為です。
些細な事かもしれませんが、少しづつこれからも治療環境を整備していきたいと思っています。

2017年11月30日木曜日

「ユーモア」って大事ですね。

お笑い番組などを観て、お笑い芸人さんから元気をもらう事があるという話を、患者さんの口からちょくちょく聞きます。
決して、僕自身お笑い芸人さんのように面白いことを言って笑わせる技術はありませんが、僕は、精神科医も同様にお笑い芸人さんみたいに患者さんを元気にさせられる、とても可能性のある仕事だと思っています。

「ユーモア」つまり、「笑い」の効能は絶大です。
相談に来られた患者さんと僕とのやり取りで一緒に笑うと、その関係性に一体感が生じたりします。
しんどい時こそユーモアは必要で、一緒に笑い合って心と心の壁がとれてくると、不思議と何とかなる気がしてきます。

だからこそ僕自身の心を柔らかくして、僕自身に生来備わっている「明るさ」や「ユーモア」を大切にし、診療していきたいと思います。


2017年11月24日金曜日

「心配性」と「悩み症」の違い

僕はスイーツが大好きで、その中でもパティシエ エス コヤマのケーキが大好きです。

みなさんも、もし興味があったり、機会があれば...
パティシエ エス コヤマ:http://www.es-koyama.com/index.html

その大好きなケーキ屋さんの代表でもありパティシエの小山 進さんの著書(「心配性」だから世界一になれた)の一節で、

“ 心配とは、「心を配る」と書く。お客様に心を配り、スタッフに心を配り、さらに日本の未来に心を配る。そうやって想像力をフル回転させて、みんなが幸せになれるような方向に導いていくのが、「心配性の力」なのだ ”

とあります。
心を配る性分と書いて、「心配性」。
いろいろと不安や悩む「」があり、それを「配る」という具体的な行動に変換していくことが大切なんだと思います。

今抱えている不安や悩みを具体的に紙に書きだしてみたり、誰かに相談してみたり、出来ることを少しずつ行動に移していく。
考えてもどうしようもないものは、考えることをあきらめて休むことも十分な行動です。

しかし「悩み症」になると、ただ悩むことにまた悩んで思考の悪循環に陥って身動きが取れなくなる。この違いって紙一重ですよね。

「悩み症」から抜け出す第一歩を踏み出すことが大事です。
紙に書いてみたり、誰かと相談してみたり、具体的に出来ることから行動に変換していく
など、まずは心の悩みを外に出せたらいいですね。

2017年11月9日木曜日

3つの財産

松下幸之助いわく、
私にはつの財産がある。それは学校へ行かなかったこと。健康に優れなかったこと。そして、決断に弱かったことだ。
とあります。

学校へ行かなかったから、勉強することの大切さを理解できるようになった。
病気になったことを経験して、健康の大切さを理解できるようになった。
決断に弱かったからこそ、いろんな人の意見を聞くことができ、助けてくれる仲間を持つことができたということでしょうか。

一見、ハンデだと思うようなことが「財産」だと思えることが素敵だなと思います。僕に当てはめて、3つの財産というと、

 ① 平凡な知能で、特に優秀ではなかったこと
 ② 気が弱く、心配性だったこと
 ③ 決断に弱かったこと

になると思います。

自分の中にある、たくさんのコンプレックスやハンデがあるからこそ、患者さんに共感できたり周囲に相談したり、助けてくれる仲間やスタッフ、家族に支えてもらうことができて、また、そうしたことに感謝して今、生きることができています。
それに気づけたのは、こうした財産に恵まれたからだと思います。
今日も、この財産を資源にして診察していきたいと思います。

自分の中にあるネガティブな部分、コンプレックスなどを書き出してみて、最後に「能力」とつけてみて、ネガティブな部分に隠れているポジティブな部分を、自分で見出してみてはどうでしょうか?

人の長所は、短所だと思っていた周辺にこびりついたものであることが多いので、そこを認めてあげると、豊かな心、人生になるんじゃないか?と思ったりしています。

2017年10月19日木曜日

人生は、クローズアップで見れば悲劇。ロングショットで見れば喜劇

今回のブログタイトルにもなっている、
「人生は、クローズアップで見れば悲劇。ロングショットで見れば喜劇」
「Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.」
は、数々の傑作コメディ映画を作り上げ、「喜劇王」の異名をもつ、チャーリーチャップリン が残した名言の一つです。

 診察場面で、患者さんが不安や焦りなどが募って受診に来られて、目の前が真っ暗な状態で、先のことを考えると悲観してしまうという「心理的視野狭窄」という状態に置かれていることがあります。

 その際、先の見通しが少し立ったり少しだけ楽になると、患者さん自身の視界が開けてくるということを診療場面で感じています。

「今がしんどくても、必ず、いつかは笑える日が来る」
少なくとも僕自身は、患者さんを支援する際は、そう信じて診療しています。
しかし、どうしようもない時は、僕のしょうもないユーモアで患者さんに失笑して帰ってもらっています。
自分のユーモアの技術も、もう少しあげていければと思っています。



2017年10月5日木曜日

『心をやわらかい状態にしておく』ということ

さくメンタルクリニックを開業してから早くも1ヵ月が経ち、自分への反省も含め開業当初からを少し振り返っていた際に、100歳を過ぎても現役の医師を続け高齢者が活躍できる社会のあり方などに提言を続けてきた、医師・日野原重明 先生(享年105)の本の一説を思い出しました。
 (先日(7月)亡くなられた際は多くのメディアにその功績をとりあげられていたのは、まだ記憶に新しいですよね。)

※以下一部引用
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大切な人と接するときに僕が意識しているのは、相手によってではなく、
常に自分自身の手で、心をやわらかい状態にしておくということです。
穏やかな物腰、感謝の笑顔、いたわりの言葉など、心がこわばっている状態ではできないことだらけです。
だから心をやわらかくしなくちゃいけない。
その大事なきっかけは常に自分の中に持っていたいのです。
でないと、今自分がきつい言葉をいってしまったとして、その原因を相手の態度に求めてしまうことになりかねないし、そうするとさらに関係がぎくしゃくしてしまいそうですから。
一方、やわらかい心をつくるのは自分からだと決めておきさえすれば、相手との関係の中につめたいものを感じたとき、自分に原因があるのではないかと改善できる余地が生まれます。
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今思うと、開業当初は僕自身に余裕がなく「心がこわばっている状態」でした。
そうなると、問題ばかりに目が行きすぎてしまい、自分がきつい言葉を言ってしまったり、その原因を相手に求めたりしていた部分もあったと改めて反省しています。

これからも、さくメンタルクリニックを続けていく以上、このような反省の繰り返しだということは想像に容易く、僕も日々反省しながら「やわらかい心」を作れるように意識していきたいと思います。



2017年9月20日水曜日

ブログ始めました。

はじめまして、さくメンタルクリニック 院長の作田です。

いきなりですが、ブログを作成するのは初めての事で少々困惑しています。
一大決心し大阪市 あびこ で9月に開業してからは、初めてのことばかりですが、患者さんと一緒に少しづつ『さくメンタルクリニック』も成長していければと考えています。

当ブログのサブタイトルでも少し触れていますが、当院が意識していることは、「ほんの少しだけ、患者さんが楽になれるお手伝いをする」ことと「患者さんを普段サポートしている人が、少しでも楽になれるように、当クリニックが後方支援をする」ということです。


その為、当クリニックが支援できる資源として、医師による精神療法(心理教育を含む)、薬物療法、環境調整(診断書などの作成や関係機関との連携)と、心理士によるカウンセリング(心理検査を含む)があります。
これらを、こちらもほんの少しづつですが、このブログを通して少しでも多くの方に情報を提供していければと思います。

どうぞ、よろしくお願いいたします。