僕は児童精神科医、精神科医として、発達障害と診断した場合は、患者さんやそのご家族に傷病名を告知した後、そこから、その患者さんの何が変わりえるのか、何が変わりにくい、又は変わらないものなのか?を伝えることがあります。
何が変わらないものなのかを伝えることで「どうせ、自分なんか死んだ方がいいんだ」と、変わらないことを変えようとすることで自尊心が低下するのを防ぐのと同時に、親御さんには自分の子育てに自責的になり、その結果、余計に、お子さんにきつく当たってしまうという悪循環が生じないように支援できたらと思っています。
精神科医としては、発達障害の児童の特性を治すのではなく、精神症状をうまないことが一番大事だと思っています。
そのためには、発達障害の心理教育や心理発達ガイダンスを、その都度、効果的にしていくことが大事になってきます。
結構難しいことですが、発達障害の児童の特性を変えようとするよりも、できていることや強みを見出し、褒め伸ばしをしていくことが重要です。
発達障害を含めた精神科的な診療は、長所伸長、短所は、ほどほどにやり過ごせるように支援していくことが大事になります。
でも、それは、僕を含めた支援者も含めてなかなかできていないことでもあります。
もっと、発達障害の実践的な知識や対処を普及していくことが重要になってきていると痛感しているところです。
2021年9月29日水曜日
長所伸長、短所は、ほどほどにやり過ごす
2021年9月22日水曜日
アフィニティー(親和性)の大切さ
僕は子どもの頃から、勉強が嫌いです。
高校3年生の秋頃に医者になりたいと本格的におもいだして、受験勉強をして3浪の末に医学部に入学しました。
その3浪の末に医学部に合格した時は、大学に入ったら立派な医師になるために勉強を頑張ろうと思いましたが、やはり根っからの勉強嫌いなんでしょうね、医学生になってからも、あまり勉強はしませんでした。
しかし、医学生の頃に精神科領域の本は、他の診療科の本と比べると薄かったのか?すっと、苦痛なく読めたんです。
それに、精神科の実習は何か気負いもなく、自分の中の興味や能動性が刺激されたのを覚えています。
好きなことというよりは、アフィニティー(親和性)だなと思います。
『やっていること自体に苦痛が少なく、結構やれるもの』それをみつけて伸ばしていくと、仕事になるのか?趣味になるのか?分かりませんが、人生をかけて、自分のアフィニティーのあることをみつけていくことって大事だな~と思います。
僕は精神科の勉強だけは、現在でも真面目にやり続けてられるけど、作田整骨院のせがれだけど、整形外科の本とかは数ページ読むだけで、もうしんどかったので、整形外科医にならなくて良かった~って思います。
2021年9月15日水曜日
少年よ大志を抱け
最近、「Dr.コトー診療所」というドラマをTSUTAYAで借りて、久しぶりに視聴しました。
そこで印象に残った言葉が、コトー先生が「Boys, be ambitious」を引用した話でした。
この有名な「少年よ大志を抱け」のフレーズは、みなさんも1度ぐらいは聞いた事があるのではないでしょうか。
この言葉は、札幌農学校(現在の北海道大学)の初代教頭のウィリアム・スミス・クラーク博士が、アメリカに帰国する時に、見送りに来た学生に残した言葉です。
クラーク博士は、「人はいかにあるべきか、その道を全うするために大志を抱け」と、学生らに伝えて去りました。
僕が思うのは、正しい学習とは、学びを通じて自分の周囲の人に優しくなれるなら、それは正しい学習であり、反対に、学んだことで自分の周囲の人に優しくなれないのなら、それは誤った学習だと思います。
僕がこのドラマを視聴して思ったのは、コトー先生は、医療を通じて、医者とはどうあるべきか、人としてどうあるべきか?を大志を抱き続けて、学び続けて、その答えを探していく旅の途中だと思いました。
コトー先生は、僕の憧れです。
2021年9月8日水曜日
理想的機能不全家族を目指す!
僕の主な日曜日の夕方の過ごし方は、ちびまる子ちゃん、サザエさんを続けて観るのがルーティーンとなっています。
「子ども達が好きだから」と習慣になっている?からです。
サザエさんのエンディングの「さざえさんは、愉快だな~」のフレーズで、いつも感情がこみあげてきて、ノスタルジックで感傷的な気持ちになるのです。
これは「明日(月曜日)からまた仕事か~」という現実に直面して憂鬱になる、いわゆる『サザエさん症候群』という感じ以外に、この二つのアニメには「何かあるんじゃないか?」と思いました。
この日曜日の夕方にテレビで放送されている、ちびまる子ちゃん、サザエさんは、昭和の頃に理想的とされていた家族をテレビアニメに投影したような印象です。
だから僕は、こうしたアニメを視聴すると、何か家族の理想を押し付けられるような感じがして、しんどくなるのかもしれません。
現代の家族は「理想的機能不全家族を目指す」でいいと思っています。
僕が個人的に思っている「理想的機能不全家族]とは何かというと、例えば、僕の家族はリビングにみんないてても、それぞれスマホでユーチューブを観たり、ゲームやタブレットで何かをしていて、みんな別々なことをしている感じです。
ダイエットしている人、プロテインを飲んで鍛えている人、お菓子を食べている人~。
みんな違ってて、各々違う方向を向いてて、まとまりがないのがいい、でも、そこまで揉めてない・・・みたいな。
現代の家族を描いた家族アニメをに日曜に流してくれると、僕のサザエさん症候群は、もう少しましになるのにな~と思いました。
2021年9月1日水曜日
俳優 大沢たかおさんがインタビューで話していたこと
数々の人気ドラマや映画に出演し、観ている多くの人を魅了してやまない俳優の大沢たかおさん。
僕も大好きな俳優さんの一人です。
先日、テレビのインタビューで『僕が苦しんだ分が大きい方が、お客さんは喜んでくれる。僕自身は、俳優として特にやりたいことはないです。求められた仕事で、期待されたら、それに対して一生懸命応えるだけです』と話されていました。
大沢たかお『やっぱりカッコいいな~』と感じました。
格好をつけている感じじゃなくて、飾らないで素直に表現している実直さが好きです。
僕自身も、日々、診療に苦しんでいます。
でも目標は、診療技術が上がって楽に診療できるようになることではないんだな~、と思いました。
やっぱり、診療場面で患者さんと向き合って、苦しんで、苦しんで、無い頭で捻りだした関わりの方が、患者さんに受けている実感があります。
診療で少しでもさぼったり、集中力が低下した状態で、いわゆる「流した」状態での診療になった時の、患者さんの受けは、非常に悪いです。
苦しみから逃げない、相手の期待に応えるためにベストを尽くす!
医者を引退するその日まで、苦しみから逃げずに、頑張りたいと思いました。