2022年9月21日水曜日

知識があるから意識になる

発達障害の児童の診療をしているなかで、そのお母さんも当院に来てくれます。
多くは、お子さんの同伴ですが、なかには、お母さんがおひとりで通院されることもあります。

そのお母さんに、お子さんの発達障害の心理教育をして、知識が増えていくことで、お母さんは、適切な関わりを身に着けていかれることが多い一方で、お父さんは、そうした知識を得ていない状況で子育てにおいて好ましくない関わりが続いてしまい、ご夫婦が、子育てなどを巡って対立してしまうことがあります。

どうしても、知識がないと意識化されないので独りよがりな関わりになってしまい、知識の差は意識の差となってしまいやすいのです。
僕自身も、たくさん知識を増やして、少しでも意識的に気づける量を増やしていきたいと懸命に努力中です。
そこから得た知識を、少しでも患者さんにわかりやすく伝えて意識の共有を図っていきたいと思っています。
そのためにも、まずは僕が知識を増やし、患者さんやご家族の方と知識を共有していくことが大事だと思って日々勉強中です。
そこから、お母さん、お父さん、本人自身、そのご家族、学校、社会と知識が広がって、意識が広がって、よい社会になって欲しいなと願って診療しています。

2022年9月14日水曜日

僕の精神療法はチック的

ぼくを含めて多くの男性の方で発語の調子が、どっかでチック的な方がいると思うんですけど、僕自身、何か短い言葉で言いたい欲求結構あります。
なので、僕の精神療法はチック的、キャッチフレーズ的です。
そのキャッチ―な言葉を患者さんの心に遺すことで、患者さんの中に、何か楽になれるというか、よい変化を生みやすくなるというか、そういうことを狙って、今日も、僕の頭の中は、あまり賢くない頭をフル回転させて「短い言葉」を患者さんの心に遺せるように、患者さんと向き合っているところです。

2022年9月7日水曜日

ASD特性の共有と理解の重要性について

 自閉スペクトラム症(以後ASDと略す)の脳の発達は、生後1歳から2歳の間は定型発達児よりも脳体積サイズは over growth(過形成)よりで特に大脳、小脳の白質、大脳の灰白質(特に前頭葉)が過形成ぎみであることが多いとされています。
また、神経病理的には神経細胞のニューロンやグリア細胞の過剰な発達、プログラム化された細胞死(アポトーシス)、シナプスの形成や機能異常が考えられています。
その後、成人に向けてASDも定型発達も形態的には、ほぼ一緒になっていきます。
局所的には、体積減少の報告が多いと言われていますが、実際上は評価は困難なことが多いようです。

こうした脳の発達異常から実際上で生じてくるのは、ASD傾向のある子どもの方が脳のオーバーロード(混乱)が生じやすいということになります。
つまり、対人のコミュニケーション場面において、開かれた質問をされたり、いつもと違う変化が生じたり、複雑なコミュニケーションなどが生じた際に、混乱を呈しやすくなります。

反対に、自分の興味や動機からの発信に対しては過集中となります。
これは、わがままというより特性であり、強みであり、弱点でもあります。
そして、「できることを増やしていきたい」と思うのが、子を持つ親の本能です。

しかし、親やその周囲の人らがASDの特性と戦ったらダメです。
涙とか、最悪、心の血が双方に出ます。
その子に合わせた効果的な関わりかたを一緒に考えていく上で、この「脳のオーバーロード」を念頭においておくことが重要になります。

養育の仕方においても、色々と周囲ができることをみんなのようにできないことで、自責的になる必要がないというケアが大事になってきます。
ASDの特性を含めて「どう対処するのか?」の前に「何が起こっているのか?」をまずは理解していくことが支援において重要だということだと思います。

2022年8月31日水曜日

開院して5年が経過しました

 ホームページの「ごあいさつ」に記載しているように、
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・幼児期から児童期、青年期、成人期、老年期までの人生の全ての期間において精神科領域全般の『心の相談』ができます。
・診察を通して『こころ』と『からだ』の悩みに寄り添い、回復のお手伝いをさせていただける診療を心がけます。
・患者さん、家族、地域の皆さんが安心して『こころ』の相談を受けられるアットホームな総合心療を目指しています。

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の理念のもとに、開院しました。

現在は当院で、子どもから成人までの心理検査をすることが可能になったり、院長の診療の、特に精神療法を補完するためのカウンセリング機能も強化して、本人とその家族をサポートする機能も実践的に向上できていることを実感しています。

また、当院の上階に児童精神科の訪問看護ステーションを誘致し、阪南病院の児童精神科領域で経験を積んだ看護師らと連携してサポートできる体制を構築しています。

今後の目標は、支援機関である行政、教育、療育機関などに対して、たまにでいいのでクリニックでセミナーを開くことも、いつかは再開したいなと思っています。

児童精神科・精神科の領域は、芸人に近い仕事だと思うので、必ずしも長年の経験が活きるわけではなく、常に新人のように柔軟で謙虚に、新鮮に取り組んでいくことが求められている領域だと思います。

だからこそ、僕が健康で働ける間は、少しでも来院された患者さんやそのご家族に「受診に来てよかったな」と思ってもらえる診療を心がけて、これからも取り組んでいきたいと思います。

今後とも何卒ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。

2022年8月24日水曜日

3浪から救ってくれた友人!

 東京五輪から1年が過ぎましたね~。
このブログ上で何度も話していますが、僕は医学部に合格するまでに3年間浪人生活を送っています。

3浪目を迎えた春の予備校の授業は、精神的にとても参っていました。
その時に、横に同じく3浪目の予備校生がいました。

その人が3浪仲間となり、僕は1年間何とか乗り切り、受験勉強を頑張り続けることができて、お互いに悲願の国立大学医学部に進学できました。
何とか諦めずに頑張っていたら、運命的な出会いがあるもんだな~と思います。
僕の3浪目の予備校の教室の隣の席に、その人がいなければ、きっと違った人生だったような気がします。

東京五輪で選手らが、口々に御世話になった人達に感謝を述べていましたが、その時に僕の人生にとってのメダルであり、医師になる道への最初の一歩が医学部合格だったので、御世話になった3浪目の友人のことを思い出しました。

2022年8月17日水曜日

社会が本当の多様性の目指すところは

 最近ではフェミニズム運動や性別など様々な領域で、多様性を認める社会作りを、という動きが活発化しています。
社会において、そうした多様性を認めていこうとする動きは、いいことだとは思います。

しかし、その多様性を認めるといった背景に、自己中心性が強かったり、他者の価値観を認めないという、目指すべき方向の反対の思想が混入していることが気がかりに思います。
多様性を認めるということの本質は、各々の生き方の多様性を認めるという「あなたも、私も、そうした生き方でOK!」という、相互に認め合い尊重していく社会作りが大事だと思いますが、
社会情勢をみていると、社会的に「こうすべき」が強くなっていて、そこから外れると徹底的に他者を叩くなど、多様な生き方を認めていこうという寛容ではなく、むしろ、多様な生き方を認めない社会作りになっている気がしてなりません。

少なくとも、このクリニックの診察室の中では、生き方の多様性を認め合っていきたいと思います。
まずは、そこからだという思いで頑張っていこうと思います。

2022年8月10日水曜日

ユーモア

日野原先生は、1970年に赤軍派を名乗るグループによって日本航空機が乗っ取られた、通称『よど号ハイジャック事件』に客として乗り合わせ、2日間にわたって機内で人質になった経験をしています。

機内で、緊迫した状況が続いた時に、乗客の子どもが、犯人に対して「ハイジャックって、どういうこと?」と質問しました。
犯人側は、ハイジャックについてうまく返答できず、しどろもどろとなり、乗客と犯人側との間に笑いが生じたそうです。

日野原先生によると、その笑いが犯人と乗客との間に、不思議と一体感みたいなものを生じさせたそうです。
乗客の中には、人質として解放される際に、犯人に向かって「頑張れよ!」とエールを送った人もいたそうです。

ユーモアって、対人関係の構築に非常に重要だなと思います。
特に僕は、ユーモアを大事にしている大阪に住んで、大阪で診療しているのだから、余計そうです。
ユーモアの力を信じて、日々大事にしていきたいとそう感じています。