2019年9月26日木曜日

親子で気持ちを伝えあいたいときに、大切にしておきたいこと

僕は精神科医という職業上、普段ある程度感情のコントロールはできていると思っています。
ただ、もちろん完全にコントロールできているわけではなく、感情的になってしまうこともあります。
僕が普段の生活で、一番、感情的になるのは自分の子どもと接している時です。

まず、親として前提に子どもに願っているのは、健康的に成長して欲しいし、将来子ども自身が主体的に生きて自立できるようになってほしいという思いで関わっています。
そのため、子どもができていない部分が、どうしても目についてしまい、感情的に叱責してしまうことがあります。

例えば、以前伝えたことを子どもが繰り返し行ったときなど、親である僕の立場としては、あの時あれだけ一生懸命伝えたのに、なぜまた同じことをことを繰り返すのか?... と感情を揺さぶられ、子どもにより強く怒ってしまうという羽目になります。

先日の連休に、子どもと接する時間ができたので、子ども側の意見を尋ねてみたところ
「お父さんが怒って言ってくる時、何で怒られているのかよくわからない。こっちの話は聞かないで一方的に怒ってくるやん。」
と勇気を出して、娘が言い返してくれました。

親側の立場である僕としては、どうしても子育てにおいて強く願う気持ちに比例して感情的に訴えかけてしまいがちです。
しかし、子ども側からすると、まず親が怒っている状態だと冷静に親の話が聞けない状態になっています。
しかも、その上で親が叱責してきます。

子ども側の視点でみると、親は、感情的で早口で否定語が多く話が長い、と、子どもの頭の中はパニック状態で、どう対応したらいいのかがわからなくなってしまいます。
また、その後落ち着いた状態になっても、子どもが親に伝えられた事に対して改善を試みるという気持ちにはなりません。
むしろモチベーションは低下し、自分のことを否定されたと思って、余計に親の言うことを理解しようともせず、親に嘘をついたりするという悪循環サイクルになっていきます。

親である僕自身が感じたのは、長く生きている親の方が、まず一旦冷静になり基本に立ち返り、きちんと伝え方を工夫することが大事だということです。
まずは親自身が、なるべく感情的にならず端的で且つ具体的にやって欲しい行動を伝えて、子どもが前向きな行動をとろうとしたら不十分でも褒めるようにして、我慢強く本人と関わるようにすることです。
そして、子どもの言い分を決して怒らないから教えて、というスタンスで、さらにもうちょっと我慢して子どもが自発的に言えるまで待ってあげて、子どもの言い分に耳を傾けてあげないといけないな、と思いました。
でも、なかなかうまくできてないですけど。


最近、どうしても時間がなくて、子どもに〔 指示的 > 支持的 〕に関わりがちでした。
子どもが、こうして勇気を振り絞って僕に伝えてくれたことを真摯に受けとめて、関わり方を少し変えるように努力していこうと思います。

子どもと一緒に成長できるように頑張っていかないとな~、と思ったシルバーウィークでした。



2019年9月19日木曜日

先日、おっさん3人組で山登りに行ってきました

先日、おっさん3人組で、念願の大峯山に登山に行ってきました。

大峰山(おおみねさん)は、奈良県の南部にある山で、現在では広義には大峰山脈を、狭義には山上ヶ岳(さんじょうがたけ)を指すとされています。
この大峰山脈の中で修験道の聖地であるのが山上ヶ岳です。
この山上ヶ岳のことを大峯山といいます。
大峰山と大峯山で読み方は同じですが「みね」の字が違いますね。

現在でも女人禁制の山とされている日本で唯一の山で有名ですが、この一帯は古くから修験道の山として山伏の修行の場であったこともあり、頂上にある大峯山寺にお参りするため、高野山や各地のお坊さんなど、行者姿で登山されている方がたくさんおられるところは通常の登山との違いかもしれません。

8月の暑い時期での登山でしたが、山はとても涼しく自然の空気や景色を堪能して心身のリフレッシュになり、メンタルとフィジカルのバランスを保つ良い機会だったと思います。
普段から個人的にはそんなに好んで食べることはありませんが、そこで食べたバナナの味が、いつもとは比べ物にならないうまさでした。

山頂の景色はこんな感じです。

下山してからは、清流のせせらぎを感じつつ、鮎とビールで舌鼓を打ち、温泉で疲労回復してと贅沢な時間を過ごし、 普段とは違った環境で景色やその土地の人との交流を楽しむことができました。

何より仕事を通じて出会えたおっさん3人で楽しめたことが、とても嬉しかったです。
時期や時間、また環境や場所、そのタイミングで誰とどのように過ごすのかということを改めて考えつつ、今度、またおっさん3人組で、年に1回は遠足に行くことを楽しみにしています。



2019年9月5日木曜日

9月で当院は開業して3年目に入ります

おかげ様で、今年の9月で開業して3年目に入ります。

この2年間、僕の家族、診療の運営を一緒にしてくれているスタッフ、診療の後方支援をしていただいている方々、そして、何よりも、この発展途上にある未熟なクリニックにご来院してくださる患者さんやそのご家族に厚く御礼申し上げます。

この場をかりて、感謝の想いを伝えさせてください。
開業当初の想いは、当院のホームページの最初の挨拶でも述べさせてもらっていますが、ある程度できている部分と出来ていない部分があります。
これからもこの出来ていない部分、つまり伸びしろをしっかり伸ばしていって、地域に根付いた少しでも治療的なクリニックになっていけるように前進していきたいと思っています。

僕は、根本的に弱い人間で、その弱さのおかげで、たくさんの人との縁に恵まれたと思っています。
哲学者で教育学者の森信三先生の言葉で、

「人間は一生のうち逢うべき人に必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに。しかし、うちに求める心なくば、眼前にその人ありといえども、縁は生じず。」


という言葉があります。

人は、出会うべき人と絶妙のタイミングで必ず出会える。
ただ、自分の心が求めていなければ、目の前にその人がいても縁は生まれない、という意味です。

僕が開業してから今日まで、大切な縁に恵まれて今があります。
このクリニックで一番大切にしたいのは、人と人とのつながりです。

これからも、ご支援ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願いします。