2024年5月29日水曜日

昔の人は、精神疾患は少なかった?

 大河ドラマで、平安、鎌倉、江戸時代とかを結構やっています。当時の時代は、かなり残酷な出来事(流行り病で死んだり、凶作で飢饉に陥り餓死者がでたり、人身売買が行われるなどなど)も多かったのでトラウマだらけだったと思いますけど、トラウマ的な症状を呈している人の数は、いうほど多くない印象を持つんです。

 理由としては、昔の時代は、経済的な余裕がないこと、科学技術の未発達があげられます。当時は、貧しいから、つらいことがあっても、自分の体を動かして農作業とかしないといけない。それに、昔は大家族制で地縁の絆も深い中、おじさん、おばさんとか村長とか良い人間関係もアクセスしやすかったかもしれません。つまり「北の国から」のような状況で、結構悲惨だったり、しんどいけど、何とか生きることができている。つらいことがあっても、身体を動かして、自然から命を頂いて、村の人々の助けをかりて、自然で遊ぶなかで、心は、健康さを取り戻すことができる。

 それが、現代は豊かになり、科学技術が発達すると、身体は動かさないで頭でっかちになり、自然と接することも減り、表面的な人間関係に捉われる。人間の自然回復力を促す4因子として

① からだを動かす 

② 自然を楽しむ 

③ 良い人間関係を味わう(相手が動物でも可)

④ 遊ぶ

が知られています。こういう4因子には、敵対・混乱モードから友好・安心モードへの移行をサポートする作用があります。

 心的な外傷記憶を持った子どもは、一緒に遊んでいる子の何気ない言動でも、それが引き金になって敵対・混乱モードになり、「頭ごなしで全否定された」「理不尽な侮辱を受けた」などの受けとめ方に伴う強烈な不快感や怒りが生まれる。そうなった子どもを前にして、親や大人も、混乱して極端な振る舞いになってしまう。特に、対応している大人自身も、親から受けた心的な外傷記憶があると、子どものそうしたことを引き金にして、敵対・混乱モードになってしまう。

また、トラウマの専門的な心理的な治療を受けることができる人は、ほんの一握りなので、できれば、この4因子を大切にしていかないといけないな~、と思っています。

早速、親しい人を誘って、サウナにいって、この4要素のような感じを取り入れに行ってきます。

 

2024年5月22日水曜日

親戚にウケた思い出が、僕の原動力!

  僕は、小学校の頃に、福井県の両親の田舎に帰省して、親戚に、お笑い芸人の真似事をして非常にウケたことがあります。その時、僕は自分が面白いやつなんやと思い込んで、大阪に帰って、同じようなギャグを、クラスメイトにしたら、全く受けませんでした。でも、僕の頭の中で、当時のウケた喜びは、しっかり記憶されています。

 僕が精神科医として、診療で追い求めているのは、子どもの頃と同じでウケることです。治療的に関わって、患者さんが楽になったり、患者さんの眉間の皺が減ったり、時に一緒に笑いあえたりする。こういうウケるのが、僕の人生のガソリンです。「ウケる喜び」、これをずっと追い求めています。

2024年5月15日水曜日

川で拾ったなすび

  子どものとき、田舎の川で遊んでいると、上流から綺麗な、「なすび」がどんぶらこ~どんぶらこ~と流れてきました。僕は、必死でそのなすびを川でゲットし、自慢げに母に持って帰りました。それを母が、漬物にして、夕食のおかずに出してもらいました。これが、僕の最初の労働だった気がします。当時、僕が、とったなすびやで~と、家族に誇らしげに言ったことを覚えています。頑張ってなすびをゲットして、それが、おかずとして、誰かが食べる。この時はじめて、僕は、働くことの感動を味わった気がします。人類の男性は、1万年以上前から、狩猟して、それで採った獲物で、家族を養ってきたわけで、そうしたことで獲得できる自己有用感って、特に男性にとっては大事ですね。

 

2024年5月8日水曜日

死への不安を和らげる方法

 戦争などの平和維持への不安・物価高騰・年金問題など色々不安を感じて生きています。あらゆる不安は、無意識領域では、「死」への不安が根底にあると言われています。

 死が怖いから、自殺するくらい。逆説的ですけど、人の根底には、誰しもが「死への恐怖」があります。しかし、誰もが、遅かれ早かれの差はあれど、必ず死を迎えます。

 その死を、少し受け入れやすくなる、死への不安を軽減できる方法の一つに、次の世代に、バトンを渡すことだと思います。子育てで、子どもが成長して、次の世代に親として繋げることが、有り難いのです。

 僕は、仕事で、児童精神科医として日々診療しているので、子育てや子どもの将来に少しでも役に立てたり、その人の中で、僕の関わりが支えになっているのなら、いつか僕自身が迎える死を受け入れやすくなります。

 誰かに、僕の一部、言霊なのか、思い出なのかを遺せるとしたら、僕は少し安堵して、死を迎えることができると思います。生きている間に、少しでも次世代の人に、役に立てるように、日々精進していきたいと思っています。

 

2024年5月1日水曜日

母に「美容整形するなら、どこをする?」と質問したら・・

 僕が、子どもの頃、美容整形最前線みたいな番組を視聴していて、当時、何気なく母に、「お母さんやったら、美容整形するとしたら、どこをしたい?」と聞いてみたことがありました。

 母の返答は「自分の顔を好きになってあげられるのは、自分しかいないから、どこも整形しなくていいわ~。」でした。

 僕は、その当時、思春期真っ只中で、外見とか、人からどう見られているか?と自意識過剰状態だったこともあって、母の返答で大いに納得いきました。

 自分の容姿を、自分自身だけは好きというか尊厳というか、自分自身を大事に思う気持ちが大切なんやな~ と思いました。

 美容整形のCMで、「コンプレックスを持って生き続けるのは、自分をなくして生きている~」というフレーズを否定したいわけではないけど・・・。

 「自分の中のコンプレックスを受容できるような心の健康さや豊かさが、これから先、自分も他者も受容できる心に繋がっていくとも思います~」と、そのCMを風刺したい気持ちが沸いてきたので、ここで勝手に言わせてください!