某政党が、選挙の際に作成した資料によると、「発達障害は、存在しない。それは個性に過ぎない、通常の教育を受けさせればいい」という論述がありました。当然、該当する政党も、その論述は、撤回しています。ちなみに、「個性」とは、外見や性格、行動パターン、思考方法などさまざまな要素で表現されます。また、「特性」とは、その人の「本質的」な性格や能力を示すものとされています。ざっくり言えば、特性は、元々生まれもっているもので、変えることがかなり困難なもの。個性は生きている中で生成されていくものなので、変化は幾らか可能なものだと言えます。つまり、某政党が、発達障害は個性といわれた際の違和感は、「発達障害は、性格の問題だ」、とか、「発達障害って、甘えや言い訳に過ぎない」というような問題軽視に対して自分が感じた違和感だったのです。
発達障害は、先天的なもので、特性という、本人自身の努力では、変えがたい部分が多分にあるのです。つまり、特性とか能力の問題なのに、人格やモラル、やる気の問題にすり替えられて、社会的に追い詰められている状況が現在の日本で生じているのです。僕は、診療だけでなく、講演などを通じて「発達障害のリアルな理解と支援について」という演題で定期的にしているのですが、これからも、伝えていきたいと思います。発達障害のリアルな知識がないと、理解してもらえないですから。また、R8年2月に、R7年に続き、堺市のユーチューブ講演するので、ぜひ、某政党の人にも、視聴してほしいと思います。
精神科領域は、知識がないと、意識として認知できないので、こうした問題が生じやすいのです。日本は、メンタルヘルス後進国で、若者の自殺が多く、病みやすい社会だからこそ、政治家の人には、ぜひ視聴して欲しい~と思っている今日この頃です。
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