2021年9月29日水曜日

長所伸長、短所は、ほどほどにやり過ごす

僕は児童精神科医、精神科医として、発達障害と診断した場合は、患者さんやそのご家族に傷病名を告知した後、そこから、その患者さんの何が変わりえるのか、何が変わりにくい、又は変わらないものなのか?を伝えることがあります。

何が変わらないものなのかを伝えることで「どうせ、自分なんか死んだ方がいいんだ」と、変わらないことを変えようとすることで自尊心が低下するのを防ぐのと同時に、親御さんには自分の子育てに自責的になり、その結果、余計に、お子さんにきつく当たってしまうという悪循環が生じないように支援できたらと思っています。

精神科医としては、発達障害の児童の特性を治すのではなく、精神症状をうまないことが一番大事だと思っています。
そのためには、発達障害の心理教育や心理発達ガイダンスを、その都度、効果的にしていくことが大事になってきます。

結構難しいことですが、発達障害の児童の特性を変えようとするよりも、できていることや強みを見出し、褒め伸ばしをしていくことが重要です。
発達障害を含めた精神科的な診療は、長所伸長、短所は、ほどほどにやり過ごせるように支援していくことが大事になります。

でも、それは、僕を含めた支援者も含めてなかなかできていないことでもあります。

もっと、発達障害の実践的な知識や対処を普及していくことが重要になってきていると痛感しているところです。