2020年9月1日火曜日

精神科医としてどう変わったか?

開業して3年が経過しました。
3年前までは、精神科の病院などを中心に勤務医として約10年間働いてきました。

クリニックを開業してから勤務医の頃を振り返ると、当たり前のことですが、勤務先の病院全体の一部分としての役割を担っていたんだということに改めて気づかされました。
勤務医当時、僕が主治医や担当医師としてかかわらせていただいた多くの患者さんは、その地域の大きな病院ということを目的として来院されていました。
入院ができる病棟施設があり、検査などの充実した医療サービスを期待して来られた患者さんがほとんどです。

ですが開業してからは、患者さんは、僕の診療を期待して来院されることが大前提となりました。
当院ではカウンセリングや心理検査なども行っていますが、あくまで僕の診療がメインとなります。

勤務医時代は、1時間くらいの面談をしたり、児童精神科の外来は再診でも30分程度の時間を何とか捻出してやっていました。
しかし、開業してからは初診は30分前後、再診は5分~10分程度と短くなりました。
でも、僕自身の診療の技術やクオリティーは、今の方がいいと感じています。
「当時は、時間は結構かけていたのに、知識、技術が足りてなかったんだな~」と今でこそ感じています。
もちろん患者さんによっては、当時のようにじっくりと時間をとっていた頃の僕の診療の方が良かったと思われる方もおられるでしょうし、全ての方のニードを満たすことはできないとは思っています。

開業したことで「自分の診療が、最大の商品」だという認識になり、それでご飯を食べていけるようにという意識があがりました。
自分の診療という商品で、ご飯を食べていける実感を持てていることが、僕にとっては何よりのモチベーションになっています。

これもひとえに、未熟な治療者である僕の診療に通院してくれている患者さんのおかげです。
これからも診療の質をあげて、少しでも患者さんを楽にできるように日々精進していきたいと思っております。

開業して4年目を迎えた当院を、今後ともよろしくお願い致します。