2021年12月8日水曜日

カモフラージュからリアリティーへ

発達障害があっても、そこから定型発達の人をまねてカモフラージュして生きる道を選択されて頑張っている人もいます。
ただし、発達障害の特性は生涯持ち続けるものですし、そこを隠していわゆる「過剰適応」で生きていくという選択をした場合、結局、自分の特性を否定して生きることになり、将来的には、うつや、希死念慮とか、失感情症を認めたりといった、いわゆる二次障害のリスクを高めてしまう可能性があります。

仮に、そういった二次障害になった状態から、精神科で「発達障害」と診断されると、最初は落ち込んだり戸惑ったりすると思います。
しかし、これまでの「過剰適応」という「カモフラージュ的人生」から「障害受容」が進んで、本人が主体的な人生に変わっていけるきっかけになったりもします。

それは時に、これまで無理して働けていたのに働くのをやめてしまったりと、社会的には生産性の低下を引き起こすこともあります。
でも、その人がその人らしく生きていくことよりも、病みながら自分に嘘をついて生きていくのがいいのでしょうか?
僕は精神科医なので、心身のメンタルヘルスを大事に考えたいと思います。

「あなたが、あなたらしく、あるがままで生きていく。周囲の評価を、過度に気にして生きていくのではなく、あなたが、あなたらしさを大事にして生きていくことを大事にする。あなた自身の幸せを、第一に考えたっていいじゃない?」そう思いますよ。
少なくとも、「カモフラージュな生き方」ではなく、自分の人生に「リアリティー」を高めて生きていく。
本当の自分に嘘をつかないで生きていくのって大事なことだと思います。
それを応援するサポーターでありたいなと思っています。