2021年6月23日水曜日

エンパシー、シンパシーⅡ!

以前、当ブログに『シンパシーとエンパシー』というタイトルで「エンパシーとシンパシーの違い」について投稿させていただきました。

⇒『シンパシーとエンパシー』  2020年10月29日木曜日 

 
当ブログを閲覧してくださっている患者さんから、難解で分かりにくいとのご意見を受けて、今回のブログでもう少し分かりやすく?説明したいと思います。

【シンパシー】
・自閉スペクトラム症サイド(アスペルガー症候群、高機能自閉症も含む)
自分という心の中に、生来、他者の心がない、又は乏しいため、相手から感情的に怒られても、すごく嫌な気持ちになるという共鳴(※)はするけど、どうして、ここまで相手を自分は怒らせてしまって、相手の感情をどうすれば落ち着かせることが自分にできるのか?という、人と人を介した感情や言語で論理的、感情的に共有していこうという「エンパシー」としての共感的な対応が出来ない、又は出来にくいのです。
(※ これは本人自身の中で生じるものであり、共感という他者を介して共有していくものではない)


やはり難解だと言われそうなので例をあげると、自閉スペクトラム症の児童に対して、その児童の母親がイライラして叱責、注意すると、自閉スペクトラム症の児童には、母親のイライラが最初に 自分の心に飛び込んできて、そこで「シンパシー」で感じて、混乱、パニック、癇癪を生じてしまうので、母親が懸命に伝えたい思いや内容が、本人には届かないのです。

【エンパシー】
・母親サイド
一生懸命、自分の気持ちや言葉で「愛情としての想い」を伝えたいのに、どうしていつも我が子には「母親の愛情としての想い」が伝わらないのか?という「エンパシー」と「シンパシー」の、共感の仕方にすれ違いが生じてしまうのです。


だからこそ、発達障害の子に親がどう関わると効果的か?という「ペアレントトレーニング」や、発達障害の人に対しての関わり方の根幹が、この「エンパシー」と「シンパシー」といったコミュニケーションでの相互の共感の性質の違いを認識しておくことが重要なんです。


やっぱりわかりにくいでしょうか?
次回も引き続き「エンパシー、シンパシーⅢ!」で説明してみます。