今回のブログのタイトルは、アメリカの臨床心理学者であるカール・ロジャーズが遺した言葉です。
アメリカはもとより日本でも心理療法家にとっては、もっとも影響のある人物の一人だと思います。
ロジャーズは、長期的な人間関係において、自分らしくないように演じることは何も生み出さないと説きました。
自分らしくいないと自分を拒絶することになるので、幸せになれないのです。
僕が診察場面で感じるのは、患者さん自身を中心にとりまく外界において、社会的な仮面を身にまとった状態で過剰適応的に頑張っておられる方が多いことを実感しています。
その過剰適応の「過」は、結局のところ自己否定です。
素の自分を認められないから違う自分を作り出して頑張るみたいな、いわゆる「ペルソナ化」(社会的仮面化)です。
ロジャーズは、「自分自身という存在を受け入れることが変化の基本です」と説いています。
自分が誰なのかをしっかり見極めて、自分自身を知ることが人としての成長のカギとなるのです。
だからこそ、医療的な診断として「アスペルガー症候群」などの発達障害の診断をし、患者さんは診断されることで一時的には落ち込んだとしても、段々自己理解し自己受容が進んでいくにつれ患者さん自身の中で「これは特性なんだから無理まではしなくてもいいんだ」と、自分自身を認め始めていきます。
治療者が患者さんと目指すのは、解決ではなく、まず理解。
自分自身を受容したとき、人間には変化と成長が起こる。治療者は、クライエントを無条件に受容し、尊重することによって、患者さん自身も自分自身を受容し、尊重することを促すのだと
ロジャーズは説かれました。
ロジャーズが言うように「治療者は、患者さんを正そうとするな、理解しようとせよ!」ですね。
これがなかなかできていない自分のためにブログにアップしておきます。