祖父は僕が幼少の頃に死んでしまい、祖父との思い出はあまりありません。
ただ子供の頃、両親の故郷である福井県の村に里帰りする度に、里の方から「昔、僕の祖父から言われたことをちゃんと守っています~」と、死んだ祖父を慕う言葉を聞いていた僕は、子どもながらに「祖父は生前、この里の人から慕われていて、今も里の人の心の中にいるんだな~」と感じたことがありました。
人は寿命が尽きて人体の死がきた後、お金も地位も名誉もあの世には持ってはいけません。
だけど、自分が死んだ後も誰かの思い出として、その人の心の中で生きることができるのだなと感じたのです。
僕は、言葉を使って精神療法という形で患者さんと交流したり、プライベートでは、家族や仲間との交流の中で、相手との楽しい貴重な時間を大切にしていきたい。
そして、祖父のように死んだ後も、誰かの心の中で支えになるような言葉や想いを遺していきたい。
それが、もっとも豊かな生であり、死なのかもしれませんね。