2024年8月7日水曜日

依存症治療のコツは、やめさせようとしないこと

  依存症治療の第一人者である成瀬暢也(なるせ のぶや)先生(埼玉県立精神医療センター)によると、依存症患者さんに対して、対応のコツを一つ挙げるとしたら、それは

「やめさせようとしないこと」 であると述べられています。

 依存症とは、患者さんがやめたいと思っている、そして同時にやめたくないと思っている。その両価性を理解して治療者、支援者が関わることが肝要。成瀬先生の病院の依存症外来は「ようこそ外来」と称して、患者さんが治療から脱落しない工夫を色々している。

 患者さんに歓迎の意を伝え、断酒・断薬を強要せず、飲酒や薬物使用を責めず、患者さんの困っていることに焦点づけをする。

 決して無理にやめさせようとしない。

 患者さんの何とかしたいという思いに寄り添い、肯定的に関わり続けていく。

 日々の生きづらさや悩みを受けとめ、患者さんの主体性を尊重した対応を心がけている。

 ここに、精神科治療の支援の本質を感じ、成瀬先生の人柄も感じるので、胸が熱くなります。

 僕も「ようこそ外来」の精神で、成瀬先生のように頑張りたいと思っています。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿