依存症治療の第一人者である成瀬暢也(なるせ のぶや)先生(埼玉県立精神医療センター)によると、依存症患者さんに対して、対応のコツを一つ挙げるとしたら、それは
「やめさせようとしないこと」 であると述べられています。
依存症とは、患者さんがやめたいと思っている、そして同時にやめたくないと思っている。その両価性を理解して治療者、支援者が関わることが肝要。成瀬先生の病院の依存症外来は「ようこそ外来」と称して、患者さんが治療から脱落しない工夫を色々している。
患者さんに歓迎の意を伝え、断酒・断薬を強要せず、飲酒や薬物使用を責めず、患者さんの困っていることに焦点づけをする。
決して無理にやめさせようとしない。
患者さんの何とかしたいという思いに寄り添い、肯定的に関わり続けていく。
日々の生きづらさや悩みを受けとめ、患者さんの主体性を尊重した対応を心がけている。
ここに、精神科治療の支援の本質を感じ、成瀬先生の人柄も感じるので、胸が熱くなります。
僕も「ようこそ外来」の精神で、成瀬先生のように頑張りたいと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿