2024年7月17日水曜日

アフターシンデレラ

  ディズニーやグリム童話で有名な「シンデレラ」は、幼少の頃に、実母を病気で亡くし、その後、父は再婚し、継母と一緒になり、その後、父を病気で亡くしてしまうなど、シンデレラは、家族の温もりを感じることが乏しい養育環境でした。シンデレラ自身の心の中では、温かな家庭への憧れを希求することになると思います。シンデレラは、その気持ちに蓋をして、本当の自分の気持ちを感じにくくして、子ども時代は生きていたと思われます。そうしないと、心理的な暴発を起こして、家を飛び出すなどとなると、母や父との大切な思い出のある家というアイデンティーさえも失ってしまう恐れがあったからです。そうした中で、王子様と運命的な出会いで、ハッピーエンドとなる。

 僕自身が、精神科医として気になるのは、その後の、王子様との婚姻生活上に生じる問題についてです。シンデレラは、王子様と結婚することで、今まで、心に蓋をしてきた部分が解放されていきます。その結果、王子様そのものを受け入れるのではなく、王子様の自分に対して優しい部分は受容するが、そうじゃない部分も王子様なので、よその国に戦争に行ったりとか、政治等で多忙で、王子様は、時にイライラして帰ってくることもあるでしょう。そうなった際に、シンデレラは、王子のそうした部分へのショックは、人一倍大きく感じる可能性が高いのです。そうした中で、シンデレラが、病んでいく可能性がある。どうして、そうなってしまうのかは?幼少の頃の、親との喪失体験や、ステップファミリーで受けた心の傷が原点にあるのです。そこをカウンセリングでケアされてこそ、あるがままの自分の感情を誰かに受容してもらってこそ、王子様の良い所だけでなく、嫌なところも受容できるようになり、双方で助け合って生きていくことができる。

 そのため、シンデレラが結婚して、相手をあるがままに受容しにくく、病んでしまうようになったら、当院にカウンセリングに来てもらって、シンデレラの幼少の頃の心のケアをしましょう、というアニメを作って~とディズニーに電話しておきます~。(嘘ですけど)

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