「発達障害児」支援において、「自立的」ではなく「自律的」な支援を目指していくことが大事だと感じています。
発達障害の特性のある児童が、なるべく自分自身で出来ることを増やしていく「自立的」アプローチが強く入りすぎると、自分で出来ないことも多いタイプの子らは、それらを人に相談できずに自分で悩みを抱え込むことが増える可能性があります。
結果的に、みんなと同じようにできないと苦悩し、自分はダメだと自尊心は低下していきます。
そしてその延長線上に、
⇒・誰にも困ったことを相談しなくなる
⇒・他者や社会に対してネガティブな感情や認知が強まっていく
⇒・被害的な認知が育つ
⇒・心理的、社会的に「ひきこもる」
という悪循環が生じやすくなり、親が発達障害の子どもに対して望んでいた「自立」の反対の方向に至ってしまう可能性が時として生じることがあるのです。
そのため、発達障害児の支援においては「自律的」なアプローチが大事となってきます。
自分で出来ることは自分でやるけど、出来ないことは人にSOSを発信し、相談して人にやってもらって助かった経験を積む。
そこで、支援者に対しての信頼感が生まれ、人にうまく頼れるようになる。
自分でやれること、やれないことを見極め、出来ないとなったら人に相談して助けてもらうスキルとして、ソーシャルスキルも含めた療育的な役割があると思うのです。
支援はあくまでも「自立」よりも「自律」を目指して支援していくことが大事なことが多いと感じています。