2018年10月11日木曜日

親が子育てで自分を責めているのは、わが子を責めているのと一緒です。

今回は、前回のブログの補足です。
〈前回のブログ ⇒ 子どもが、失望を乗り越える支援

診察場面で、『私の育て方が悪かったせいで・・・』と、不登校や問題行動が頻発している子どもの親御さんが、過去の自分の子育てを責めておられる発言をよく耳にします。
そうした際での子どもの様子は、余計に深みに入って病状が改善しないことが良くあります。

これは、お母さん自身が自分の子育てを間違っていたと反省することで、
子どもにとっては『自分は、お母さんにとっては失敗した子どもなんだ』と、子ども自身の自己否定感情が強まり、
親には『自分なんか、おらん方がいいんやろう(いない方がよいだろう)』と、攻撃的な言動を認めたりします。

つまり、親が自責的になることで子どもを攻撃していることになり、子ども自身も自責的になり親を反対に攻撃するという悪循環を生んでいるのです。

こうした時は、まずは、「お母さんが少しでも楽になるにはどうしたらいいか?」を話し合います。
そして「まあまあいい(そこそこ良い)お母さん」でいることの大切さを共有し、母親自身が自らを追い込まないようにサポートすることや、子育てを失敗したと考えることで、2次的に子どもが傷ついてしまうことに気づいてもらうように働きかけています。

子どもは心の奥底では、親に自分のことを誇りに思ってもらいたい、と必ず思っています。
たとえ親が、いつも子供の要求に応えられるわけではなく、子どもが望むような許可を与えられなくとも、子どもは自分があるがままで親に愛されるべき存在であり、親にとってはかけがえのない存在であることを知っていなければなりません。

大切なのは、親がどう関わるかで、そこから子どもは自分が大切な存在であるとわかっていきます。
そのためにも、親も自分の子育てを “まあまあ” で、あまり責めすぎずに “ぼちぼち” でいきましょう。