2025年12月31日水曜日

発達障害などの精神疾患は、見える化が大事

 診察をしていると、発達障害や知的障害を有している本人が、学校や社会で、実際は、特性を含めた能力的な問題を、相手側に理解されずに、モラル上の問題に置き換えられて、叱責されたり、迫害されたりして、結果的に、本人は、トラウマになって、不登校や休職あるいは、ひきこもり状態に至っているケースをよく経験します。それは、医療的な問題だな~、と責任を感じることも結構あります。だって、発達障害とかうつ病とか不安障害とかは、目に見えないんだから。

 その点、整形外科の患者さんで、松葉杖をついて、足にギブスがぐるぐる巻きの状態で痛々しく歩いている人を見かけます。その人に、さぼるな、もっと頑張って走れ!と怒鳴る人はいません。でも、精神科領域では、それが、結構生じてしまうのです。

 だからこそ、精神手帳や療育手帳などが重要になるし、加えて、診断書を作成して、やる気の問題ではなくて、特性などの能力上の障害であることを伝える必要があるのです。そのために本人や親御さんには、障害受容が必要になるし、その上で、周囲に伝えて、求められる設定値を下げる(適正化する)作業が必要になります。できないことをハーフオープンで伝えるのもありです。自分の苦手なこと+自分が相手にして欲しいこと+自分ができることの3点セットで伝える。

例;「忘れっぽいので、レスポンスが遅いと思ったら遠慮なくいってください。声をかけてもらったら超特急でやりますので!」とか。こうしたハーフオープンを伝えるタイミングも重要です。

 何かミスを犯してから言っても、もはや言い訳にしかならないので要注意。定常の状態で、相手も話が聞ける状態でこうしたことを伝えるというタイミングも重要になります。こうした部分は、相手だって、ちゃんと見えてないんだと思います。

 ここは、何度でも、伝えておきたいことです。

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