2024年10月9日水曜日

アリとキリギリスの物語の現代の解釈

  イソップ寓話にでてくる「アリとキリギリス」に、登場してくるアリは、将来に備えて、真面目に勤勉に働き、努力することの大切さを教訓とする物語とされています。冬になり、夏に遊んでばかりいたキリギリスが、冬の準備をしていなかったため、死にそうになり、アリに助けを求めたけど、アリは、キリギリスに対して何も援助することなく、キリギリスは死にました。

 精神科医的に考えると、アリ自身の心の状態としては、しんどいですね。確かに、しょうがないです。そもそも虫だし、自然は過酷だし、誰かを助けてあげる余裕なんてないし、しょうがないです。それでは、その話を現代の日本人の状況にあてはめると、アリさん自身が、まじめすぎて、心の豊かさや「今を大切にすること」が完全に抜けてしまっているのではないか?と思ったりします。

 将来のことばかり考えて、生活していると、幸せの前借りをし続けているような状態になり、最悪、死ぬ最後まで幸福感を感じられなかったという後悔も生じる可能性もあると思います。

 日本は、高度経済成長期で、アリのように日本人は勤勉に働いて、物質的には豊かになったけど、精神面では、今が抜け落ちてしまって、幸福を感じにくくなってしまったのかもしれません。

 時には、キリギリスのように、今を生きる、楽しむことも忘れないで生きましょう、というのが「アリとキリギリス」の物語の現代の日本人に必要な教訓になりえると思います。

 結局は、どっちのマインドも大事だというバランスなんでしょうけど、日本全体での閉塞感を打ち破るマインドは、キリギリスの「今を大事に生きる」ことなんだと思う今日この頃です。

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