2023年11月22日水曜日

精神科の診察は、やっぱり難しい~

 僕は、精神科医として、診療を通じて、来院された時より、帰る際に少しでも、心が軽くなれるように治療的に関わらせてもらう。これを目指して、日々精進しています。

しかし、毎回ヒットやホームランは打てないし、残念ながら、患者さんを傷つけてしまったり、患者さんがショックを受けて帰られることもあります。

 診療を通じて、告知や障害受容を促進していただくために、そうした過程を踏まないと前に進めないこともあるのです。こちらも、治療者として真剣に向き合っているからこそ、自分の実力不足、診察時間の制約など様々な理由でそうなってしまうこともあります。患者さんに説明する際も、受け取り方は千差万別です。だからこそ、なんぼでも、精神科医療って非難できると思います。

治療的な関わりは、昔の自分よりは、できつつあるけれど、同時に、患者さん11人に関われる診療時間は減っているし、僕自身の患者さんに治療的に関われなかった際の、悔しさは増しています。

 今日も、失敗となった診療がありました。もう少し時間が取れたら、もう少し患者さんに慰労や労いといった共感が足りなかったために、僕の対応が患者さんにとって横柄に感じさせてしまったりと、今後の修正ポイントも以前よりは気づけるけど、実際は、やはり、色々な制限や制約があるので、物別れになってしまうこともあります。ただ、その際は、通院医療機関を変更することも大事かな?とは思います。

 僕は、僕のできることを頑張りたい、治療的に関わろうとして、失敗するのは仕方ないけど、失敗を恐れて、治療的に関わらない、無難に関わるのは、むしろ、自分にも、患者さんにも申し訳ない。ただ、謙虚に、誠実に、でもユーモアや明るさで、自分らしく取り組んでいって、それで、患者さんに合わないのであれば、患者さんの合うところを探してもらいたいとも思っています。