2020年3月19日木曜日

誰のためか

どうもお久しぶりです。
ブログを久しぶりに更新します。

さて、唐突ですが、毎日診察室で患者さんと 向き合っている日々の中で、自分にとって「働くということの意味を考えることがあります。
そのような時に自分にとって支えになっているエピソードの一つで元シアトルマリナーズのイチロー選手とソフトバンクの王貞治球団会長との鮨店での一場面があり、それを今回は紹介させてください。

鮨店での会食で、イチロー選手が王監督に、
現役時代、選手のときに、自分のためにプレーしていましたか、それともチームのためにプレーしていましたか
と訊ねたそうです。

すると、王監督は即答したそうです。
オレは自分のためだよ。だって、自分のためにやるからこそ、それがチームのためになるんであって、チームのために、なんていうヤツは言い訳するからね。オレは監督としても、自分のためにやってる人が結果的にはチームのためになると思うね。自分のためにやる人がね、一番、自分に厳しいですよ。何々のためにとか言う人は、うまくいかないときの言い訳が生まれてきちゃうものだからな
イチロー選手は小さな声で「ありがとうございます」と言って、頭を下げたそうです。

このやりとりを聞いて、僕自身は楽になりました。
僕自身のこのやりとりでの理解として、働くということの基本は、まず自分のためだということです。
自分を大切にして、その周囲の人を大切にして、その延長線上に社会的に働く、役に立つという理解です。

診察場面で、患者さんの中には自己否定感情が強く、自分は働いていないし世の中の人に役になってないから生きる価値がないんですと話されることがあります。
僕は、患者さんには「自分を大切に思う気持ちが、ちゃんとあなたの中で芽生えてくるまでは、働かないで欲しい。自分を大切に思えない人が、働くのは、逆に危険です。」と返答することもあります。
働き方は、あくまでも自分を中心に考えて自分と向き合う。(それはもちろん、自分の生活のためでもあり、自分の家族のためでもあります。)
僕自身においても、あくまで自分のために仕事をしていると考え、自分が納得のいく診療をしたいと思っています。
それが結果的に、患者さんの役に立てると信じています。
同時に、僕は治療者として自分の伸びしろに期待しています。
これからも少しずつですけど、治療者として成長していきたい。
でも反対に、自分の技量が落ちたり、治療の質が低下したら、自分で判断してやめたいと思います。
それも、あくまで自分のためにです。