2021年2月4日木曜日

妻が夫とうまくやっていく上で大切なこと

 僕が家族療法を重視していることもあり、夫婦がうまくいってないという相談を受けることがあります。
妻側の意見を聞いていると、夫に対して「分かってくれない」とか「怒鳴ってくる」とか「子育てに協力的でない」「理解がない」と話されます。

そして、そのような状態が続き夫婦関係が悪化してくると、妻が夫に対して常に不機嫌な状態だったり、非明示的な、いわゆる「察してコミュニケーション」に陥ると、夫は妻に対して、ひどく狼狽したり自己有用感が低下していき、怒りや不安、回避などの感情を抱くようになり、愛情を注ぐことができなくなることがあります。

男性は、女性から自己有用性を認められて、はじめて意欲が出てきて相手に愛情を注ぐことができるようになる為、妻が夫に対して出している「プンプン」「イライラ」を解除しないと、夫は妻に愛情を注ぐことは困難となります。
その結果、妻が夫に「使えない、役立たず!」といったメッセージを送ると、悪循環ループから抜け出すことは難しくなっていきます。

この悪循環ループから抜け出す打開策は、「女は愛嬌、男は度胸!」という、江戸時代に流行した、ことわざにあります。

女性から男性に
➀ 依頼(ちゃんと目的を伝える。)
 ⇒ ② 拘束(明示的に、はっきりとして欲しいことを伝えて、実際にやってもらえるようにする。)
  ⇒ ③ 達成感(ありがとうと盛大に喜ぶ!ここが愛嬌です!)の循環を回すことが重要です。

男性は、目的をはっきり理解しないと動けない生き物です。
例えば、妻側が「夫に、ただ愚痴を聞いて欲しいだけだったのに、急に夫はアドバイスをしてきたり、逆に怒鳴ってくるんです」などと、診察室でいわれるのですが、それは、夫側の立場としては、妻の悩みを解決しないといけないと思って話を聞き、アドバイスをしただけのことなのに、逆に文句を言われて怒られたという、コミュニケーションミスマッチとなってしまうわけです。

こんな事にならない為にも、妻は、ちゃんと夫に目的を話し、明示的な依頼をして、いつ、どこで、何をして欲しいかなどを、できるだけ、いちいち言う必要があるのです。
1つ言えば10個分かるのが女性の察するコミュニケーションだとしたら、男性は、いちいち言わないと分からない、察することが苦手な生き物なのです。

ですので、妻側から、夫に依頼がある場合は、ちゃんと分かるように説明して、夫がやってくれたら盛大に喜んで夫に達成感を味合わせることが大事なのです。
そうすることで、夫は自己有用感を回復していき、妻の為に頑張ろうと思えます。

この循環を女性側が理解して、夫から愛情を受け取れるようになってほしいのです。
女性には、男性から愛情を受け取ることで、幸福になる人生を是非送って欲しいのです。

だからこそ、「女は愛嬌 ⇒ 男は度胸!」なのです。
最近は、フェミニズムの進展、普及により、女性が、男性に対して「プンプン」「イライラ」が増えていくことで、男性は、自己有用感は低下していき、男性の活力が失っていく方向を危惧しています。
男性は、愛する女性の笑顔や幸福を、得られることで、男性自身も幸せだと感じることができるのです。
女性は、男性にとって「太陽」そのものなのです。
女性が「太陽」であり続けるためにも、愛嬌を大事にして、男性に達成感を与えて、家庭円満、夫婦円満になっていくように診察室で祈っております。